am/pmジャパン、「ASD」(自販機型コンビニ)出店加速

2007.01.01 323号 7面

(株)am/pmジャパン(本部=東京都港区、電話03・5544・2690)は、自販機型コンビニ「ASD」(オートマチック・スーパー・デリス)を今年から年間240店ペースで増やしていく。昨年4月に投資・運営コストの低い新システムを開発、飲料ベンダーの(株)ユカ(東京都目黒区、電話03・5701・3351)と運営・商品供給のFC契約を結ぶことで急速展開が可能になった。今年度は100店増の約120店となる見通し。首都圏の高層オフィスビル、官公庁、学校など約4000ヵ所の候補物件の開発に拍車をかける。

ASDは約10年前に立ち上げた。当初は在庫保管場所、冷蔵庫、販売・発注管理用パソコン、運営担当者が必要だった。新システムはこれらが不要になり、設置面積は約半分に縮小。自販機の販売データは無線LANでユカの配送車のパソコンに送信し、通常は1日1回、売上げの多い場所は1日2回商品補充を行う。配送車1台で約10店の管理・商品補充を担当する。

初期投資は20%削減、配送も効率化できた。これにより出店基準が下がり、出店機会が広がった。例えば、オフィスビルだと以前は500人以上働いていることが出店基準だったが、現在は200人以上でも採算がとれる。ユカは店数増加とともに事業を拡大、am/pm本部は加盟金やロイヤルティ収入だけでなく、ASD売上げ増加を加盟店に還元できる。

食品・雑貨は汎用自販機(冷蔵・定温設定可能、1台当たり42品目陳列)、飲料は25品目並ぶ専用自販機に陳列。約2坪で飲料2台、食品・雑貨3台が標準モデル。am/pm店舗のPOSデータをもとに弁当、調理パン、菓子、パン、カップ麺など立地特性に合った商品を揃え、毎週20~30品目を入れ替える。飲料は福利厚生の補助で店頭より10~20円安く、他商品は1円単位を切り捨てた価格設定。1台当たり日販1万円、平均値入率30%、平均客単価150~160円、買上点数1~2個、販売ピークは中食時間帯と夜8時以降。

「廃棄ロスはCVSより低いが、陳列在庫を持たないので欠品による販売機会ロス防止が課題」(金井裕太情報・物流管理本部ASDソリューションビズネス部長代理)という。今年6月をめどに品目数と在庫量を増やした新自販機を開発する。これにより販売機会ロスを防ぎ、1台当たりの売上げアップを目指す。

昨年11月時点でオフィス60店、官公庁25店、アミューズメント、マンション、工場各15店、物流センター10店、その他学校、マンション、病院など合計163店。ASDは売店や食堂より低コストで、従業員の福利厚生や利用客の利便性を高められる。12月期末にはASD119店、合計設置自販機数は汎用462台、飲料550台、前期比6倍に拡大する見通し。東京環状16号線内で従業員300人以上の施設は約3700ヵ所あるという。早期に有力拠点を押さえるため、来期から年間240店ペースに加速する。

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