シェフの愛用食材:五感 北浜本館・小柴学シェフ 「新潟県胎内産コシヒカリ」ほか

2011.01.03 382号 05面

 ●日本の素材で風土感じるスイーツを 安定感の出る米粉でしっとりした生地に

 「五感」は、日本的な発想のスイーツで人気の洋菓子メーカー。北浜本館は、販売エリアとサロンを併せ持つ、同社の旗艦店である。ずらりと並ぶ商品から感じられるのは、素材へのこだわり。国産材料を多彩に取り入れ、生産者を紹介している商品も数多い。

 「コンセプトは、日本の風土が感じられる洋菓子。そのためにも、よりよい素材との出合いが重要」と、小柴シェフパティシエ。なかでも一番のこだわりが、“コメ”。商品の中でも、コメスイーツとして大人気なのが、阪急百貨店で1日に1200本を売上げたという「お米の純生ロール」。このロールケーキの魅力は、独特の軟らかさと優しい味わいだが、その生地に使用しているのが、限定農家で生産する、新潟県胎内産コシヒカリの米粉である。

 「米粉で生地を作ると、通常はむらつきが出るもの。しかし、この米粉の場合は、より安定感が出てしっとりなめらかになる」。プリンやクッキー、バウムクーヘンなどにも、個体や粉として同コシヒカリが利用されており、生産者の顔が見える安心感もポイントという。

 また、大阪発ブランドとして、地元のメーカーが製造販売する素材にも着目。創業120年以上の老舗、和田萬の国産ごま商品を取り入れている。「黒いりごま」は、リーフパイやクッキーに、「金ごまペースト」は、マカロンやケーキのクリームに使用しているが、ごまの風味をしっかりと主張できる食材として活用されている。

 ◆新潟県胎内産コシヒカリ、国産黒いりごま/国産ごま・金ペースト

 和田萬商店(大阪府大阪市北区菅原町9-5)

 味のポイントになるこだわりの国産品

 コメスイーツのポイントになるのは、限定した生産農家による、新潟県胎内産コシヒカリ100%。米粉は、そのコメを特別な製法で製粉した特注品である。

 ごまは、創業明治16年の製造・販売メーカー、和田萬の商品。同社では、国内各地で契約農家と協力し、現在、国内自給率1%未満の国産ごまの栽培にも力を入れている。黒いりごまは、その貴重な素材を丁寧に焙煎。ペーストは、金ごまを石臼で何度もひいて丁寧に作り上げた、なめらかでコクのあるうまみが特徴である。

 ※和田萬商店HPの商品紹介から引用

 ◆小柴学氏プロフィール

 こしば・まなぶ 「五感 北浜本館」シェフパティシエ 1973年大阪府生まれ。1993年辻製菓専門学校卒業、同年ホテルプラザ(製菓調理部)入社。1999年レストラン高島屋関西入社、パイファクトリー製造部にて勤務。2005年五感入社、2007年より北浜本館シェフパティシエとして、新商品の開発をはじめ、同館での製菓責任者を務める。

 ◆店舗情報

 「五感 北浜本館」 大阪市中央区今橋2-1-1 新井ビル

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