フタバ食品、植物工場を導入した世界初の餃子店、宇都宮に誕生

2011.12.05 393号 10面
店舗内に導入した植物工場ユニットの前で種まきした株を披露する増渕正二フタバ食品社長(左)と、丸幸弘リバネス社長

店舗内に導入した植物工場ユニットの前で種まきした株を披露する増渕正二フタバ食品社長(左)と、丸幸弘リバネス社長

 植物工場を店内に導入し「店産店消」をコンセプトにした世界初のギョウザ店が誕生した。フタバ食品は、飲食店への植物工場導入などを展開するリバネスとコラボレーション。宇都宮市に今年7月にオープンした直営店「豚〓〓(とんきっき)大通り店」で“店内産”野菜を使った新ギョウザの提供を開始し、「宇都宮餃子」の未来を開く。

 豚〓〓は「ギョウザの街宇都宮のさらなる発展と豚〓〓ブランドを全国に発信する」(増渕正二フタバ食品社長)ため、アンテナショップとして開店した。当初は、従前のギョウザ店だったが、増渕社長がフードバレーとちぎ推進協議会総会でリバネスの丸幸弘代表取締役CEOの講演を聴き導入を決意。9月15日、新たに生まれ変わった店舗を披露した。

 従来のギョウザ店と異なり、店内に「緑がある」「安らげる」「癒やされる」空間を提供。「植物工場ユニット導入でお客さまの憩いの場となり、何度も来店していただけるよう食材はより安全・安心に、店産店消、地産地消を推進していく」(同)意向だ。

 リバネスの丸CEOは、植物工場のメリットについて「天候に左右されない計画生産が可能」と言う。ただし、店内産野菜は限られた葉物が中心で、料理に使用する全ての野菜を量的にも提供できるわけではない。中小規模の工場を地域へ設置し、土でしか作れない農業をサポートするなどで「農商工連携することで地域活性化へつなげたい」。

 今回豚〓〓に導入した植物工場ユニットは、奥行き500mmの世界最薄ブース。蛍光灯とLEDを使用したハイブリッド型で、高輝度と排熱の低減が実現した。最大96株の育成が可能。当初はフリルアイスというレタス(約6週間で成長)を栽培するが、種類を増やしていく考え。野菜1株ごとにオーナーを募集し、種まきや収穫を体験できる。メールでも育成状況を知らせる。収穫後は店内メニューとして調理し提供。「無農薬my野菜でつくる創作餃子とサラダ、一品料理などを開発していく」(金子和夫フタバ食品フードサービス部長)。

 システム全体は500万円弱の導入費がかかるため、リース契約とし、月額10万円ほどとなる。

 ◆「豚〓〓(とんきっき)」(宇都宮市馬場通り3-4-1、武蔵屋ビル1階)面積=14坪(厨房4.5坪、客席9.5坪)/座席数=21/営業時間=平日午前11時~午後2時、5時~9時、土曜日午前11時~午後9時(日祝祭日は午後8時まで)年中無休/メニュー=焼餃子(肉・野菜・しそ)各280円、焼餃子県産豚肉360円、スープ餃子360円など

 ※「豚〓〓(とんきっき)」の〓は口へんに喜です。

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