グルメ杵屋、セルフうどん業態にテコ入れ 「杵屋麦丸」が好調

2013.07.01 412号 04面
1貫(53円)から、イクラ、イカ、エビ、ホタテ、マグロ、サーモンの好みの握りがオーダーできる

1貫(53円)から、イクラ、イカ、エビ、ホタテ、マグロ、サーモンの好みの握りがオーダーできる

寿司導入のリニューアルで売上げ前年比2倍となった杵屋麦丸北加賀屋店

寿司導入のリニューアルで売上げ前年比2倍となった杵屋麦丸北加賀屋店

 グルメ杵屋は、セルフうどん業態へ本格的にテコ入れする。「杵屋麦丸」へ店舗名を変えた同社セルフうどん業態のウリは、“1貫から注文できる寿司”。4月に改装した本社横の店舗ではファミリー層を中心に集客力が高まり、5月単月売上げは前年比2倍超で推移。うどんだけでなく、寿司も“出来たて提供”するセルフ業態が登場した。

 一般的なセルフうどん業態とは打ちたて、ゆでたてのうどんに天ぷらなどのトッピング、おにぎりを来店客が自ら注文して運び、食後に食器を返却するもの。後発ながら、同社もセルフうどん「麦まる」を27店舗展開したが、今一つ個性を発揮できずにいた。だが現在、ブラッシュアップして改装オープンを進める杵屋麦丸では1貫から注文できる握り寿司を導入して一躍注目を集めている。同店の基本メニューはかけ、釜揚げ、ぶっかけ、ざる(280円)、月見、おろし醤油、釜玉、きつね(330円)の8種類のうどんだが、サイドメニューに、握り寿司(各53円)でねぎとろ、イクラ、イカ、エビ、ホタテ、マグロ、サーモンの7種類を加えた。

 入口のオーダーカウンターでうどんとともに好みの寿司を注文した後は通常のセルフうどん業態と同じで、うどんを受け取り、トッピングを選び、レジ前のコーナーで出来たて寿司をピックアップし会計へと進む。寿司注文が1貫からできる点も珍しいが、特徴的なのは握り寿司を注文後に作ることで、寿司メニューではロス率がゼロという。これは、“回らない回転寿司”として特急レーンを駆使して店舗展開する業務提携先の元気寿司のノウハウを生かしたものだ。

 同社では前期から「麦まる」業態の見直しを進め、2月に東京の大森ベルコート店、4月に大阪の北加賀屋店を「杵屋麦丸」へ業態変更。主な客層がオフィスワーカーでランチ比重の高い大森ベルポート店では客単価の変化は見られずに売上げの伸び率も20%増程度だが、ロードサイドの北加賀屋店は週末の家族連れや夜の来店客も増え、客単価も60円アップし、月商は前年2倍の1000万円超を見込む。

 椋本充士社長は「オープン景気もあるが手応えを感じている。寿司ロボなどの設置で従来店舗より約200万円投資額が増えて人件費も少しかさむので、セルフうどん業態は市場環境に合わせて寿司導入店と通常店の2種類で展開したい」としている。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: グルメ杵屋 元気寿司