料理人の愛用食材:「お料理 宮本」宮本大介店主 「礼文島香深浜産利尻昆布」など

2014.06.02 423号 10面
宮本大介店主

宮本大介店主

 ◆煮物椀の決め手になる出汁素材 素材により使い分ける“緩急”がポイント

 ミシュランガイド関西2014で、二つ星を獲得した「お料理 宮本」。まだ開店して2年未満の、若い店主・宮本大介さんの店である。客席は8席のみ、一日にその客数だけをもてなすという同店の料理は、一口盛りのご飯からスタートする茶懐石風のコース。そのメーンとなる煮物椀の出汁に使用するのが、礼文島香深(かふか)浜産の利尻昆布と、枕崎本枯れ節の背節である。

 「煮物椀は、具ではなくだしがメーンになる。この2点を使用することで、よりだしが効いた味わいを作り出せる」。昆布は80度前後の温度で30分ほど煮て出汁を抽出。鰹節は、調理前に荒めに削り、昆布よりもカツオの効いた出汁に仕上げている。

 いずれもグレードの高い素材だが、煮物椀の味を導くうえでは欠かせない商品である。一方、仕込み用の野菜を炊く場合などは、素材の味を邪魔しないような別のだしを使用する。素材や使い方によりだしを使い分ける、“緩急”がポイントになるのだ。

 古典的な日本料理が好きで器にもこだわり、自分らしい料理を追求してきたという宮本店主。「星をとったが、店の評価を決めるのは客自身。今後も、謙虚に自分の道を行くだけ」と話す。今のスタイルを変えず、肩ひじ張らずに楽しみながら食べる“お料理”を、提供していきたいという。

 ●商品紹介

 ○「礼文島香深(かふか)浜産利尻昆布」

 ○「枕崎本枯れ節(背節)」

 久間田商店(大阪府大阪市)

 昆布は3年寝かせたもので、手に入りにくい場合もある品。鰹節は、カビ付けした枯れ節で、背の部分を加工した背節。いずれも、上品な出汁の味を生み出す高級素材。

 ●プロフィール

 「お料理 宮本」 宮本大介店主

 みやもと・だいすけ 1981年熊本県生まれ。高校卒業後、2年間をサラリーマンとして働き、中村調理製菓専門学校(福岡市)に入学。2年間の修学後、大阪の有名割烹で修業。31歳で独立、2012年6月、「お料理 宮本」開店。

 ●店舗情報

 「お料理 宮本」

 所在地=大阪府大阪市北区東天満2-10-28フローライト南森町102

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