日本GLP、扇島発 日本のコールドチェーン改革へ 「ALFALINK川崎扇島」始動【PR】
◆次の100年の食を支える社会インフラを育てる
日本GLPはJFEホールディングス(JFE)、JFEスチール、川崎市と高度物流拠点形成に向けた連携協定を8月5日に締結し、川崎市の京浜扇島地区で大規模冷凍・冷蔵物流施設群を整備するプロジェクト「ALFALINK川崎扇島」(ALFALINK=日本GLPの超大型物流施設プロジェクトブランド名)を始動した。単なる施設投資ではなく、日本のコールドチェーン業界全体の構造改革を目指すパートナーシップ戦略として、食品メーカー、冷凍・冷蔵倉庫会社、物流会社、荷主、設備会社をつなぎ、共同配送や再保管、自動化、施設仕様の共通化まで視野に入れている。顧客のニーズに基づいて施設をオーダーメードで設計・開発し、流通加工・プロセスセンター機能の併設にも対応する。個社最適からコールドチェーン全体の最適へ–同社営業開発部ヴァイスプレジデントの草原洵也氏に、同プロジェクトが果たす役割などについて聞いた。
◇日本GLP 営業開発部ヴァイスプレジデント 草原洵也氏
●共創で業界構造変える
–計画の核心と課題は。
草原 最大の狙いは、冷凍・冷蔵倉庫を大量に供給することではなく、施設の老朽化や庫腹の逼迫、人手不足、再保管に伴う拠点間輸送、自動化への対応といった課題に対し、荷主、食品メーカー、冷凍・冷蔵倉庫会社、物流会社、設備会社が知恵と強みを持ち寄り、個社最適から業界全体の最適へ転換すること。同じ拠点に企業が集まり、共同保管や共同配送、設備・メンテナンスの連携、パレットや設備仕様の共通化まで検討する。ALFALINK川崎扇島を、参加企業が課題の協議から実装まで進める「共創型コールドチェーン拠点」にする。
–冷凍・冷蔵物流の需要はどのように変わったと認識しているか。
草原 冷凍食品の需要拡大に加え、農家の廃業などに伴って輸入野菜をはじめ、従来は少なかった貨物が増え、取扱品目の多品種少量化が進んでいる。原材料を大量に保管する従来型の需要だけでなく、加工を伴う貨物も増えた。保管を主な目的とした既存倉庫では対応しにくい変化が起きている。冷凍・冷蔵倉庫は建設に複数年かかるため、需要の変化に供給が追い付けない。
–従来型の倉庫ではなぜ対応が難しいのか。
草原 従来型の倉庫では保管効率を優先し、荷さばきエリアにピッキングや加工のスペースをほとんど設けなかった。現在は保管以外の作業が増え、マテハン設備を入れる面積や動線も必要。既存倉庫では柱位置や階高、床荷重をすぐに変えられない。荷物と作業の変化に合わせた新しい仕様が必要で、保管面積だけでは倉庫の価値を測れない時代になっている。
●需要起点のBTS開発
–冷凍・冷蔵倉庫業界とは、どのようにして関係を築いてきたか。
草原 17年に冷凍・冷蔵施設の専門チームを立ち上げ、日本冷蔵倉庫協会の賛助会員として対話を続けてきた。当初は不動産会社への警戒感もあったと思うが、当社は物流業務を奪う存在ではなく、施設面の課題解決を支えるパートナーであることを理解してもらった。資金面では、ファンドなどを活用し、長期開発を支える。これまでの湾岸部で用地を探し続けた経験と顧客との関係が、プロジェクトの始動につながった。
–開発方式の特徴は。
草原 今回のプロジェクトは、先に建ててから借り手を探すのではなく、顧客の需要を確認して、専用施設を設計・開発するBTS(Build To Suit=ビルド・ツー・スーツ)型が基本だ。望まれない機能を先に設ければコストが上がるため、同じ仕様の棟を並べる方向性にはしない。顧客から必要な温度帯や面積、階数、作業内容を聞き、顧客の物流工程に合わせてオーダーメードで作り上げていく。
–どのような供給体制を想定しているか。
草原 需要を確認してから複数年にわたり段階的に開発するため、先行供給はしない。冷凍・冷蔵倉庫は建築費が高く、金利も上昇しているため、顧客の投資判断は慎重。最小賃貸面積は約1万6500~1万9800平方mを想定しているが、区画を柔軟に組み、確認した需要に合わせて供給する。自社での施設建設に伴う多額の初期投資を避けられる賃貸方式も、有力な選択肢になる。
–どこから開発を始めるか。
草原 約18万2000平方mの敷地のうち、北側の約9万3000平方mを先行開発区画とし、まず6棟をBTS型で計画する。土地取得の検討段階から顧客の意向を確認し、すでに複数社と設計協議に入っている。残る南側は将来開発区画とし、マルチテナント型も選択肢に入れる。顧客の必要面積に応じ、敷地の分割や統合にも対応する。
–施設のモデル仕様は。
草原 全体で物流施設11棟と共用棟を想定している。モデルプランは、荷物の搬出入で外気の影響を受けにくいボックス型で、天井高6m、床荷重2t。全11棟を冷凍・冷蔵対応にすることを前提とし、常温、チルド、冷凍の3温度帯のほか、顧客ニーズによってはマグロなどを扱う超低温帯も設計段階から組み込み、棟数や区画も組み替える。
–自動化設備についてはどのような計画があるか。
草原 自動倉庫やマテハンなどの設備は基本的に顧客が選び、費用を負担する。当社は床抜きなど建物側の設計を担い、必要に応じて機械・マテハンメーカーの紹介も行う。低温環境に耐えられる冷凍・冷蔵対応の設備は限られ、高度な設計を要するため、早い段階から情報共有することが重要になる。設備更新やメンテナンスに加え、一貫パレチゼーション、拠点間連携、自動運転トラックの受け入れなども見据え、長期間使いやすい施設にする。
–食品企業との直接契約も想定しているか。
草原 食品メーカー、卸売業、外食企業からの直接相談も歓迎する。食品メーカーであれば、保管に限らず、例えば要望に応じて流通加工機能やプロセスセンターを設けることで、製造、保管、配送の一体化も期待できる。構想段階から課題を共有できれば施設仕様に反映し、2社で1棟を利用する案も検討できる。
●東扇島とつなぎ共配へ
–東扇島との連携、共同配送についての構想は。
草原 プロジェクトに対する問い合わせの多くは近接の東扇島に拠点を持つ企業から寄せられている。これまでは庫腹が足りず、複数の外部倉庫へ再保管する場合、荷物を戻すための輸送費とトラックが必要だった。扇島を新たな拠点として検討いただけば、荷物の移動や人員の融通、将来の建て替えを支える近接地として、東扇島と連携・補完できる。食品は産地や納品先が似通うことが多く、共同配送を組みやすい面がある。同じ敷地に複数の企業が集まる利点を生かし、幹線輸送や設備、メンテナンスの共同化も検討し、空車や待機時間を減らす具体策を入居企業と協議する。
–企業間の連携をどう生み出すか。
草原 既存のALFALINKでは、入居企業の連絡協議会を定期的に開き、課題共有や企業紹介を行っている。Marqコンシェルジュ(物流に関する悩みに対応する日本GLPの無料相談サービス)の300社以上のパートナー網も生かし、荷主、物流事業者、設備会社が相談を始めやすい環境を整える。扇島では入居前から相互の課題を共有する場を設け、入居後も対話を続ける。
–地域との共生はどう進めるか。
草原 入居企業だけでなく、誰でも利用できる共用棟を設ける計画がある。規模や内容は顧客と地域の声を聞いて決める。東扇島の就労者も利用できる食事施設や、雇用確保の観点から主要な駅などと結ぶシャトルバスを検討する。川崎市が進める自動運転バスとの連携も視野に入れ、物流施設を閉じた場所にせず、人が集い、交流できる場にしていく。
●四つの基盤で食を守る
–扇島の立地面での強みは。
草原 東京港、横浜港、川崎港に近く、羽田空港まで約12km、都心からは車で約30分。一般道路や高速道路インターチェンジの新設も予定されている。輸入食品が集まる京浜エリアにあり、首都圏への配送にも適している。また隣接するJFEの発電設備からは、冷凍・冷蔵設備や自動化設備を動かすために必要な電力供給を受けられるよう検討する。道路、港湾、空港、電力の四つの物流基盤を兼ね備え得ることが、この土地の最大の強みだ。
–GXと災害対応はどう進めるか。
草原 自然冷媒の採用、水素モビリティー、川崎港を使ったモーダルシフト、太陽光発電を検討する。水素ステーションは、水素トラックの社会実装を見ながら判断する。川崎市、JFE、入居企業との災害時協定も検討し、食品の備蓄や物資輸送に使える拠点として、平時と災害時の両面で食を支える。周辺の水素関連施設など、扇島全体の開発構想との連携も探る。
–将来像と業界へのメッセージを。
草原 首都圏の食品流通を効率化し、将来は日本の農林水産物・食品を海外へ送り出す輸出拠点へ育てたいと考えている。全体の完成は33年を想定する長い計画だが、完成後の入居だけでなく、ぜひ構想段階から相談していただきたい。物流会社、機器・マテハンメーカー、食品企業、荷主が早くから参加すれば、よりニーズに合った施設仕様や自動化、共同配送の仕組みを実現できる。約10年続けてきた顧客との対話の集大成として、投資総額3000億円以上の計画を、次の100年の食を支える社会インフラとして育てていきたい。
◆プロジェクトの概要
次世代基盤を構築
国内有数の冷凍・冷蔵貨物集積エリアである京浜扇島地区(神奈川県川崎市川崎区)のJFEスチールの製鉄所跡地を活用し、敷地面積約18万2000平方mに、延べ床面積約37万平方m、保管能力約55万tの冷凍・冷蔵物流施設(物流施設11棟と共用棟)を中心とする大規模多機能型物流施設を整備する。28年6月に着工し、30年7月から順次竣工。投資総額は3000億円以上を見込む。
港湾への近接性と首都圏への優れたアクセス、物流機能の一体的な集積を生かし、保管、流通加工、共同配送、再保管、幹線輸送などを高度化することで、効率的かつ持続可能な次世代コールドチェーン基盤を構築する。
機能面では倉庫自動化などのDX設備、自動運転トラックの受け入れ、共同輸配送に加え、自然冷媒の採用や水素モビリティーの活用、川崎港を使ったモーダルシフトなど、GXの推進も検討する。
【POINT】
1.顧客ニーズに基づきオーダーメードで設計・開発。流通加工・プロセスセンター機能も併設
2.物流会社、機器メーカー、食品企業と共創し、個社最適から全体最適へ
3.地域と共生するコールドチェーンを構築
◆支える資金基盤
米国のオルタナティブ(代替)投資運用会社であるアレス・マネジメント・コーポレーション(アレス)は25年3月、日本GLPを含むGLPキャピタル・パートナーズとその関連会社の国際事業の一部を買収し、同年12月、グローバルに展開する物流不動産事業をMarqに統合した。名称には高品質の証しを示すAMarkofQualityと、物流業界を代表する施設を示すMarqueePropertyの意味を込めた。
世界で約2000物件、総延床面積約5500万平方mの先進的物流施設を運営。日本では日本GLPがALFALINKを含む約180物件、総延床面積約1100万平方mを開発・運営する。またアレスは26年9月、日本の物流施設開発を対象とする5号ファンドを6120億円(40億米ドル)でファイナルクローズした。
◇日本GLP
事業開始:2009年3月 ※GLPグループ
代表取締役社長:帖佐義之
本社・東京オフィス:東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー16階
従業員数:240人 ※日本におけるGLPグループの従業員数を含む
主な事業:宅地建物取引業、不動産賃貸業、不動産管理業および不動産鑑定業、不動産などに関わる投資顧問業、建設業、設計業および工事監理業ほか
事業規模:開発・運営施設数=約180、総延床面積=約1100万平方m
◇施設計画・入居・協業のご相談はこちらへ
ALFALINK川崎扇島
電話:0120-08-7777
受付:午前9時~午後8時(水曜のみ午後6時まで)
※ゴールデンウイーク、夏季、年末年始および日本GLP指定休業日は除く
https://www.glpjp.com/alfalink/kawasaki/















