この1品が客を呼ぶ:地域密着繁盛店=福岡「ビストロ・シェ・ラパン」

2001.01.15 220号 11面

「シェ・ラパン」は、仏語で「ウサギ小屋」という意味の仏料理店。「仏料理の定番食材であるウサギのように、気軽に仏料理を楽しんでもらいたい」(神屋浩オーナーシェフ)という思いによるものだ。

もとより福岡は、新鮮な魚介類が豊富で、手をかけずに刺身や焼くだけといった単純な料理が好まれる土地柄。加えて仏料理は高級で敷居が高いというイメージがある。そんな中、「和食に料亭、割烹、居酒屋と多業態あるように、仏料理にも多様な楽しみ方があることを訴求したい」として二〇年前にオープンした。

ここの定番で人気の「ホタテ貝のムース」は、ムースの白色とエビクリームソースのオレンジ色が美しく目にもおいしい一品。エビのクリームソースは本来ザリガニで作るのだが、魚介類は新鮮な地元の素材を使いたいと、福岡で獲れる芝エビを使い上品に仕上げている。

仕込みに手間を惜しまず仏料理に真摯に取り組む姿勢、地元産物を使った料理は口コミで評判を呼び、昨今は、地元客のみならず、県外からの常連客も多い。カウンター席を作ってからは、仕事帰りの若い女性客も増えたという。神屋さんの言う「仏料理の楽しみ方」が福岡でも受け入れられはじめているようだ。

◆「ビストロ・シェ・ラパン」(福岡県福岡市中央区舞鶴一‐二‐三三、092・715・0192)営業時間=正午~午後2時、6時~10時、第一、三日曜定休

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