和・洋・中・食堂実例店舗シリーズ(5) ラーメン・横浜元祖「札幌や」=2

1992.12.07 17号 17面

結論からいえば、万人の口に合う味つけといえよう。

札幌ラーメンのスープに、口当りの良さ、新鮮さ、うまみ、あきない味、くさみのなさ。同業他社、本場札幌での味の動向、利用者の味への変化、たえず中川マスターが先頭に立ち味への追求が元祖横浜札幌やの不動の地位を確立している。

ラーメンのみならず、フランス料理、会席料理など、うまいもの、おいしい料理の食べ歩きを従業員全員を引きつれて、月々慣行し従業員一人一人が現実に舌をもって、うまさの体験をマスターから教えられ、値段、業種は違うが食堂業の原点である味について教育をされている。従って、強烈な個性はないが万人に愛される、くさみのないうま味のラーメンスープが老若男女、すべての人にいつでも食べたい札幌ラーメンの提供が出来る。

工夫といえば、一工夫も二工夫もされている店である。

店名の横浜元祖札幌やの横浜を冠し他の元祖札幌やFCとの差別化を行っている。

スープ作りに企業秘密がかくされている。とん骨のくさみをぬく過程、高級ラードを使い、調合、味噌ラーメンの味噌の配合、合せ味噌など独特の調理方法がすべての人に、いつでも食べたい札幌ラーメンの思い込みがかくされている。

一日一〇〇〇食以上提供するため、いかに早く商品を提供するか、オーダーが通ってから麺をゆで、クイックサービスをほどこす提供の早さが円型カウンター、左にあるゆで麺器、調理配ぜん設備に一工夫がなされている。壁面に札幌の代表的な、たとえばアイヌの像、ポプラ並木などの写真を貼ったメニュー表をかけ、値段の表示とともにインテリアの一部として写真パネルが眼で客を楽しませてくれる。

①うまい味、とくに味噌ラーメンは絶品。

②店は古くなったが、古さの中に味わいある店舗である。

③値頃、食べ頃、いつでも食べたい店だ。

④従業員が良く教育されている。

⑤名物マスターを一目みたい。

⑥従業員のコスチュームが食堂風だが、それがかえって近親感をよび、また清潔感がある。

⑦客をまたせない、カウンターについたらラーメンが早く提供される。

(㈱商業施設研究所

松崎悦久)

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