デリバリーピザ店の新戦略 「ピザック」イタリアン路線をアピール

1996.09.02 108号 2面

神奈川県を拠点とするデリバリーピザ・ピザック(チェーン一三店舗)は、パスタアイテムをラインアップした専門店パスタキッチンを既存店との複合店化戦略としてこのほど立ちあげた。屋号とチラシは分けたがロゴマークと電話回線は同一。ピザックのイタリアンイメージをアピールすることが狙いだ。

パスタキッチンのメニューは七アイテム。二~三人前で価格は二〇〇〇~二三〇〇円。既存店の追加投資は約一五〇万円。パスタマシーンと冷凍パスタによる調理オペレーションだ。スタートから二ヵ月、早くも月商一〇〇万円弱(四〇〇~五〇〇食)に達するほどの手応えを得ている。

「デリバリーピザ店のイメージを害さず、既存メニューとの相乗効果を図ることが狙い」という同店。かつてのピザ戦争時もイタリアン強調路線で、ドリアアイテムをヒットさせた実績がある。その試みは月商一五〇万円の上乗せをもたらした。

成功要因は保温性の高い“陶器皿”の活用と、既存食材の汎用である。当時、原価高の陶器皿を採用することは異常とも見られた。だが周囲の見方に反し大成功。価格競争、キャンペーン競争に躍起な業界に、デリバリーニーズは価格よりもおいしさ優先であることを知らしめた。

今回のパスタキッチンはドリア戦略に続き本腰を入れる第二弾。複合店化という新たな試みにも自信を深めている様子だ。

なお、アルミ皿使用のドリアを、コンベアオーブンで加熱した陶器皿に乗せ、保温したままデリバリーするノウハウは特許がおりたとのこと。

◇ピザック・チェーン本部=東京都港区海岸二‐一‐一六、03・3455・8883

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