世界の人気食材 青魚=極め付きのEPA、DHA 高齢化時代の救世主
青魚はイワシ、サバ、アジ、サンマなどに代表される。表層魚で、かつては非常に多くとれたため価格も安く、大衆魚とか下魚とよばれ低くみられてきた。
ところが八〇年代にはいると青魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が多量に含まれ、極めて有用な食品としての見直し人気が一段と高まった。しかしこのころから日本の水産業は二〇〇カイリ制限を受け、漁獲高は激減し、外国からの輸入を始め買魚王国と変容したのである。
EPAは青魚に多く含まれ一〇〇g中マイワシ一一一七ミリグラム、サバ九九〇ミリグラム、サンマ九七二ミリグラム、アジ三一〇ミリグラムの順に多くみられ、タイなどは四〇ミリグラムにすぎない。
このEPAの効用は血液中のコレステロールを少なくし、血液の粘度を低めにし、サラサラにする作用がみられる。このため心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化症の予防によいとみられる。
DHAも青魚に多くみられ、頭の働きをよくし、記憶力を高めたり、低下するのを防ぐばかりでなく、最近急増するアルツハイマーはDHAの減少が一つの理由としてあげられる。さらにEPAとDHAは乳ガンや大腸ガンにも効果的とされ、両者は熱安定性に優れ、調理によるロスも少ないのである。
以上にみるように、世界的に青魚に対する見直し人気が高まり、高齢化社会に向かう日本にとっても重要な食材と変わってきたのである。