うまいぞ!地の野菜(4)山梨県ミニ情報「みみ」

1998.05.04 151号 12面

「みみ」は、全国でも十谷(じっこく)の集落だけに伝えられている郷土料理の一つ。

穀物を集めるために使う道具の「箕(み)」がみみになまったとか、耳の形に似ているから、みみになったとか説は定かではない。

大みそかには各家庭でみみを作り、元旦の朝、家族がそろってその年の豊作を祈願し食べたと伝えられる。

作り方は小麦粉をよく練り、薄くのばして三cm四方の正方形に切り、二つの角をつまむ。このみみを煮干しのだしとゴボウ、大根、里芋、カボチャ、ニンジンなどと一緒に煮込む。「ほうとう」のパスタ版といったところだ。

かつては嫁に行くと、まず姑から代々伝わるみみの作り方を教えられたという。今では正月や祭りなど人が集まる時に作られ、各家庭の味を披露し合っている。

問い合わせは、ふるさとの味、伝承の料理「つくたべかん」(南巨摩郡鰍沢、電話0556・20・2020)へ。

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