会津天宝醸造「ねぎみそ」販促強化

会津天宝醸造(株)(本社=会津若松市、0242・23・1616)の「ねぎみそ」が好調だ。味噌に乾燥ネギやかつおエキスを加えびん詰にしたもので、平成9年秋に発売された。味噌の消費が低迷している時に、加工なめ味噌のジャンルで、商品開発に取り組む地方味噌メーカーの企業姿勢が注目される。

同社がびん詰で最初に手がけたのが、「うま辛ジャン」。キムチ、チゲ鍋などの辛味ブームにのり、また、汎用性も高いため、ユニークな調味料として支持されている。この第一弾から四年後に登場したのが「ねぎみそ」である。

加工味噌では「しそもろみ」「なんばんもろみ」「ゆずみそ」などを以前から発売してはいたが、そう売れる商品ではなかった。開発のヒントになったのはセブンイレブンの「ねぎみそおにぎり」。ヒット商品に注目して、すばやく吸収する柔軟さはローカルメーカーの強味でもあるが、しかし単なるものまねではなかった。

「味は変えてある。だし、塩分、糖分、粘度の調整に苦労した」(会津天宝醸造・満田盛護専務)とのこと。味噌は田舎系を使い、粘度はおにぎりの中に入れてもしみない程度に抑えた。ネギは問題になった。本来であれば生を使った方が風味もよいのだが、菌の問題で乾燥ネギを入れている。

発売後の状況だが、昨年4月に、西友でコメとエンドでの関連販売を行い一ヵ月で一三万個売った実績を誇っている。東北では、ヨークベニマルで全店定番になり、「定点観測でも安定した売行きをみせている」(同)。

売上げはまだ二億円足らずだが、伝統商品のびん詰め、佃煮の売場が年々せばまっている状況にあって、売場活性化の商材になるのではと販促活動にも力が入っており、「春の棚替え時に攻勢をかける」(同)方針だ。また、業務用筋もCVSの弁当をはじめとして、メニュー開発ですそ野は広がるのではとみている。

昨年春には、第三弾の「肉みそ」を発売、また、現在も五アイテムほど検討中とのことでシリーズ化も期待されよう。大手メーカーに売場を浸食され、生き残りが厳しくなってきたローカルメーカーだが、発酵、醸造という伝統の技術をベースに新たな商品を開発するというチャレンジ精神は評価されよう。

「ねぎみそ」は内容量が一二〇g、定番価格二四八円。

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