清酒3社、新コンセプトで新製品発売
清酒メーカー三社は8月25日、9月発売予定の新製品発表を相次いで行った。各社、市場拡大を狙った特徴ある新製品を打ち出し、ユーザー層の拡大で、低迷する清酒業界の活性化を図る。旭化成は、低アルコール清酒「富久娘“なな”」を、月桂冠、黄桜酒造は、アルコール度数を抑えた大容量のソフトパック商品「定番酒・つき」(月桂冠)、「かっぱ大吉」(黄桜酒造)をそれぞれ全国で発売する。
旭化成(株)(東京都港区、03・5476・8240)が9月11日から発売する「富久娘“なな”」は、若者・女性をターゲットにしたアルコール度数七%の低アルコール清酒(既報)。専用の純米酒からアルコールのみ取り除き、酸度を通常純米酒の二倍近い三度に上げることにより、柔らかな酸味を持つすっきりとした味わいの低アル清酒となっている。
商品名の“なな”は、「アル分七%」に由来しているが、お洒落な小びんやひらがなの商品名からも「日本酒コーナーよりも、低アルコール飲料のコーナーにおいてもらいたい」(同社酒類事業部)という同品の開発コンセプトがうかがえる。
月桂冠(株)(京都市伏見、075・623・2001)「定番酒・つき」は、コメ・コメ麹・醸造アルコールを原料とした糖類不使用の低アルコール酒(一三・七度)。二リットル・三リットルパックの投入で、ソフトパック市場でのシェア拡大を図るとともに、従来のソフトパックのイメージを一新するため、CMタレントに風吹ジュンを起用、女性の共感を重視したパッケージデザインで、新しい定番を狙う。
黄桜酒造(株)(京都市伏見、075・611・8115)黄桜「かっぱ大吉」は、五段仕込みにより清酒酵母に活性を与え、「雑味が少なく膨らみと幅のある清酒」となっている。
アルコール度数を和らげた(一三・五度)軽快な飲み口が特徴。容量を二リットル・三リットルとし、大型容器化することでユニット単価を抑え、リーズナブルな価格を実現した。
〈商品概要〉「富久娘“なな”」▽発売日=9月11日▽希望小売価格(税別)=三八〇円▽荷姿=六本入り段ボール箱、「月桂冠定番酒・つき」▽同=9月8日▽同=二リットル・一四〇〇円、三リットル・二〇〇〇円▽同=二リットル・六本入り段ボール箱、三リットル・四本入り段ボール箱、「黄桜かっぱ大吉」▽同9月17日▽同=二リットル・一三八〇円、三リットル・一九八〇円▽同=六本入り段ボール箱