サントリー、スコッチベースのリキュール「ドライブイン」 250年で新たに普及活動
サントリー(株)洋酒事業部(東京都港区、03・3470・1183)は、唯一スコッチウイスキーをベースとした世界的にも珍しいリキュール「ドランブイ」を取扱っているが、同品がスコットランドに伝えられて二五〇年を迎えたことから、それを機に新たに普及促進を図るため活動を開始。その一環としてザ・ドランブイ・リキュール社の地区本部長であるジョナサン・ブラウン氏が来日、サントリー東京本社で16日記者会見した。
「ドランブイ」は、リキュールの中で唯一一〇〇%スコッチウイスキーから作られるもので、ウイスキーにハーブ・エッセンスとヒースの花のはちみつをブレンドして作られる。「ドランブイ」とは、ゲール語を合成したものといわれ、意味としては「満足させる飲み物」という。
現在、世界一〇〇ヵ国以上に輸出され、年間生産量六〇〇万本(五〇万ケース)のうち、実に八五%が海外に輸出されており、世界で最も広く取扱われているリキュールともいわれている。
その最大の輸入国は米国で、続いてイギリス、ギリシャなどの順となっているが、同品はその“味”より“名前”が先行している商品といえる。今回は二五〇周年を迎えたことをとらえて、なるべく多くの人に味を知ってもらうために活動を積極化している。
飲み方としては、スコッチウイスキーとの組み合わせた「ラスティ・ネール」(カクテル名)が一番有名だが、近年日本ではカクテルが人気となっており、グレープフルーツジュースやソーダ、ジンジャーエールなどとミックスしても楽しめるため、そういった飲み方を中心に販促を進めていく考え。また、チョコレートや菓子類、各種料理のソースなどにも幅広く応用でき、今後はこういった製菓用市場などでの拡大も図っていく。
マーケティング的には近年、アルペンスキーやスピードスケートチームのスポンサーになるなど、さまざまなスポーツやイベントをスポンサードしているほか、米国ではポスターに「蜂が氷をつかんで、グラスに持っていく」といった斬新なものも取り入れ、より広い世代へのアピールを強めている。
ジョナサン・ブラウン氏の話 ドランブイは品質・味の評判がよいが、販売数的には今一つとなっており、今回の二五〇周年記念を機に再び質の高さをPRし、伝統的な飲み物ではあるが現在でも十分に通用するものとして知ってもらいたい。ドランブイはモルトウイスキー、グレンウイスキー、ヒースの花のはちみつ、秘伝のレシピ(ハーブ・スパイスのブレンド)という大きく四つの要素から作られている。特にウイスキーは最低一五年以上のものが使われており、これが豊かな風味を持たせている。日本市場では、ドランブイは九四年が一二%増、九五年も一〇%の伸びを示している。今後はカクテル・製菓用市場での増販を期待している。