食育基本法制定10周年を迎えて 服部幸應氏、寺嶋晋氏
食育基本法が実施され、この7月で10年。これを機にあらためて「食育」について考えようと、食育に貢献してこられたお2人に、いま最も力を入れていることについてうかがいました。
◆「オキシトシン」を流行語に 服部幸應氏
食育という言葉を、日本中ほとんどの方に知っていただきました。ありがたいことです。
食育をもっと豊かに広めるために、私は「オキシトシン」を知っていただきたいと思っています。これは幸せホルモンです。お母さんは赤ちゃんに母乳をあげると「オキシトシン」が出て、そこで初めて母性が目覚め、母親になるといわれています。最近では、この「オキシトシン」が、なでてあげたり、見つめ合ったり、一緒に食事をすることで出てくることが分かってきました。家族で会話をしながら食卓を囲むことが幸せの基本。そのために身体に良い食材を使って、おいしい料理をつくる。これが食育です。
私は、この「オキシトシン」を流行語にしていきたいと思っています。みなさんもぜひ、会話をしながら家族で食事をすることを心がけてください。
●プロフィール
学校法人服部学園理事長
内閣府「食育推進評価専門委員会」座長
「食は人の心と体を育むものである」という精神のもと、長年にわたり「食育」を提唱している。国に「食育」の重要性を訴え、「食育基本法」の制定にも大きく貢献した。
◆おいしい笑顔のためにできることそのすべてが「食育」 寺嶋晋氏
いま、ダイエーはお客さまの健康に1番貢献できる企業になるよう行動しています。料理をつくっておいしければ、ニコッと笑顔になりますよね。その笑顔を見るとうれしい。それが会社全体の生きがいなんです。
ダイエーには毎日お客さまが来てくださる。売り上げの70%以上が食品ですから、お客さまに笑顔をさしあげられる環境はすでにあるわけです。私たちはここを、生産者、メーカー、流通とお客さまをつないで「おいしい」と笑顔で言っていただける場所にしていきたいと願っています。
もうすでに「食育に取り組もうぜ」の時代ではありません。私たちダイエーのメッセージ、「日本中をおいしいと言わせたい」を実現するためにやらなければならないこと、そのすべてが「食育」だと思います。ダイエーグループでは、いま全員がそこに向かって動いています。お客さまに「笑顔のある食卓」を提案していきますので、ご期待ください。
●プロフィール
株式会社ダイエー 取締役執行役員 近畿事業本部長兼近畿エリア推進担当
イオンリテール生鮮商品部長、マックスバリュ東海社長を経て現職に。イオン時代から「食育」に尽力し、「5 A DAY」協会の設立にも貢献した。