横尾商店、鍋使わず調理可能「レンジで揖保乃糸」 夏に向け注力
【関西】横尾商店は昨年、実験的に発売した揖保乃糸業界初のレンジアップ商品「レンジで揖保乃糸 鍋いらずザルいらず冷やしそうめん(揖保乃糸使用)」(具材・つゆ付き)=写真=でこの夏、勝負をかける。ラインアップは「海鮮」「五目」。鍋で多量の湯を沸かし、そうめん帯を解き、熱湯の中に入れ約2分間ゆで、ザルに移し麺をもみ洗いし作っていた「冷やしそうめん」だが、「レンジで揖保乃糸」は、袋のまま電子レンジに入れて2分間加熱後に袋の口を破り、開いた口から水道水(流水)を入れ、麺と具材を冷やし水を切れば出来上がる。
昨年は猛暑で乾麺・手延べそうめんとも好調に推移したが「あまりに暑すぎて、鍋で湯を沸かすのもおっくうだ」という消費者も多く、業界関係者は「暑い夏はありがたいが、暑すぎるのも–」という本音も。その意味で、レンジアップ商品はそうした取りこぼしも防げる新提案として注目を集め、すでにバイヤーからの引き合いが相次ぎ、今中元では大手量販店、CVS、百貨店などで販売する。
気になるクオリティーだが、「まるで乾麺からゆでた麺のコシ・食感・のど越しが特徴。誰でも安全・簡単・便利に短時間で本来の冷やしそうめんが出来上がる」(同社)と自信を見せる。それを実現する技術は企業秘密だが「揖保乃糸の品質の高さが前提にあるが、その上で当社は冷凍めん部門で業務用を扱っており、目の肥えたプロから直接いただくさまざまな要求に応えてきた。その経験値の蓄積がありレンジアップでも、ゆでた麺と遜色ない商品をつくりあげられた」(横尾昌典社長)と自信を見せる。(服部泰平)