ラーメン店進化形:事例4 「味の大王 総本店」
☆注文→食券を手渡し 提供→セルフ受け取り
●セルフ合理化により捻出した余力で価格は据え置き
カレーラーメンの発祥店「味の大王 総本店」(北海道苫小牧市)は、移転開業から25年目を迎えた3月1日、人手不足と人件費高騰に対する打開策として、店内設備をセルフサービス方式に全面改装した。改装費は約1500万円。
新方式は、(1)券売機でチケットを購入(2)受付にチケットを渡してタグと交換(3)ラーメンができたら呼び出され(4)渡し口でタグとラーメンを交換(5)席に持ち運んで喫食(6)食べ終わったら返却口に器を戻す、という仕組み。早い話、フードコートと同じだ。
それによりスタッフの省力化を実現。ピーク時は9人から6人に、平日は5人から4人に減った。また、客が持ち運ぶ動線(通路)を確保するため、席数は70席から50席に削減したが、卓数を10卓から5卓にして、カウンター席を10席から24席に増やすことで、満席効率が大幅に改善した。
現在の客数は、改装前と変わらず平日・約150人、休日・約300~600人(ピーク日を含む)。省力化で捻出した余力で昨今の原価アップを相殺し、価格を据え置きにしている効果も大きいという。
高橋浩一店主は「券売機方式を導入した12年前、一部の常連客からお叱りを受けましたが、いまやそれがラーメン業界の主流」と語り、「今回も年配方は違和感を感じるようですが、中年世代は普通に受け入れています。券売機同様、セルフサービス方式も主流になるのでは」と説く。
●店舗情報
「味の大王 総本店」
所在地=北海道苫小牧市字植苗138-3/営業時間=7時~20時、水曜11時~15時
席数=48席(カウンター24席)