メニュートレンド:海鮮タワー丼 2階建て高さ30cmの超高層丼
天丼も海鮮丼も日本人にとっては古くからなじみの深い定番アイテムだ。その両方を2階層に盛り付けて圧巻のインパクトを打ち出したのが神奈川・二俣川の「三代目網元 まる浜 ジョイナステラス二俣川店」の名物、海鮮タワー丼だ。天丼と海鮮丼どちらも食べたい欲望を満たしつつ、SNS投稿したくなるビジュアルづくりがヒットのカギだ。
●海鮮丼と天丼でトータルネタ数14 お子さまからシニアまで幅広く魅了
直径20cmほどの1段目のお椀には海鮮丼、その上に置かれた2段目のお椀には長さ約20cmもの大型エビ天が体操選手のフィニッシュのように背筋を伸ばして直立する。高さ30cmを誇る圧巻のビジュアルが提供されるたび、周囲の客からざわめきが起こるという。
「同品は2018年4月のオープンに合わせて社長の肝いりで開発しました。だからこそ、これだけ思い切った商品が生まれたんだと思いますね」と白川圭輔店長は語る。ちょうどSNSアプリのインスタグラムが注目され「インスタ映え」なる言葉も生まれた時期だ。SNSのターゲットといえば10~20代の若者という印象があるが、子連れのファミリー客や年輩客から高い支持を獲得。1880円は駅ビル内の飲食店としてはやや高額にもかかわらず、平日10食、週末15食をコンスタントに売る。土日は家族客が同品をシェアして食べる光景がすっかりおなじみになっている。
天丼のネタはエビの他に赤イカ、サツマイモ、オクラ、赤パプリカ。海鮮丼のネタは日替わりで取材時はカンパチ、トロサーモン、蒸しエビ、マグロ赤身、アナゴ、マグロたたき、釜揚げシラス、イクラ、卵焼き。海鮮丼のネタになる鮮魚は、地元である神奈川県内の三崎港、佐島港などで水揚げされたものがその日のうちに店に届けられており、新鮮そのもの。こうした品質重視の姿勢も幅広い客層に選ばれる大きな理由だ。
総重量は実に800gに及ぶ。「エビを立てて盛り付けるのが難しいのですが、それを客席に持っていくのも難しい。新人スタッフが持っていくと客席でエビが倒れてしまうことも」と白川店長は苦笑い。そんなリスクを負いながらもインパクトにこだわるところに、同品に対する意気込みが伝わってくる。
同品をきっかけに2~3駅離れた地域からも来店する客が増えたという。また他にもサバの塩焼きと締めサバを合わせて盛り付けた「焼きさば・さば刺し丼」(880円)や、ズワイガニのほぐし身をたっぷり400g盛った「北海道かに丼」(1980円)など個性的な海鮮丼をラインアップ。独自性の高いメニューが目的来店を促している。
●店舗情報
「三代目網元 まる浜 ジョイナステラス二俣川店」 経営=せんざん/店舗所在地=横浜市旭区二俣川2-91-7 ジョイナステラス2 4階/開業=2018年4月/坪数・席数=20坪・33席/営業時間=11時~22時。不定休/平均客単価=1300円
●愛用食材
「特級厨師 ガラポン 鶏骨 業務用」 丸善食品工業(東京都板橋区)
下処理済みで品質安定
「海鮮タワー丼」など丼メニューは、後半におだしをご飯にかけて食べるスタイルを提案。提供するおだしは海鮮の店には珍しく鶏がらベースだ。「鯖節、煮干しも加えて6時間かけて煮出していますが、安定して濃厚なだしが出ます」と白川店長は絶賛する。
規格=2kg(冷凍)