19年冷食国内生産 数量増、金額減 感染影響で視界不良 冷食協調べ

冷凍食品の19年(1~12月)国内生産量は、前年比0.6%増の159万7319tとなり、3年ぶりの減少に転じた前年から再び増加した。金額(工場出荷額)は0.5%減の7131億円と前年を下回ったが、17年以降連続して7100億円台を維持している。1kg当たり単価は446円で5円下がり、家庭・業務用ともに市場の競合激化や低価格ニーズを反映した。日本冷凍食品協会(冷食協)が15日発表した。(本宮康博)

調査対象となった同協会の会員企業数は前年より33社少ない364社、工場数は6ヵ所少ない438工場。集約化が年々進んでおり、1工場当たりの生産規模は拡大している。

家庭用は依然堅調な需要を追い風に、生産量1.0%増69万4194tで5年連続増、金額は1.0%減3161億円で3年ぶりの減少。数量では農産物(冷凍野菜)が2桁伸びとなった一方、畜産・水産物が低調だった。業務用は前年の減速から、数量0.4%増90万3125tと増加に転じた。人手不足や人件費高騰を背景に、拡大の余地を示している。金額は0.2%減3970億円で2年連続の減少。数量では調理食品(フライ類以外)の伸びが突出した。

同協会の木村均専務は、「ほぼ前年並みの生産量だが、過去最高だった17年の160万tとほぼ同水準。過去3年間はこの水準を継続している。だが今年は新型コロナウイルスの影響により、家庭用需要は大きく伸びている一方、業務用は学校給食の中止、外食の大幅減少などで厳しい状況だ。今後の感染拡大の程度、各種対策の効果、生産や輸入の動向などに大きく左右されるため、現時点で20年を見通すことは極めて困難だ」としている。

同時発表の輸入状況では、同協会が会員企業37社を対象に調査した調理冷凍食品の19年輸入実績が数量4.0%増26万4620t、金額0.7%減1630億円となった。うち業務用は数量1.4%増21万7043tと大半を占め、金額は4.1%減。家庭用は数量18.0%増・金額13.0%増。輸入国トップの中国は数量7.2%増、続くタイが0.7%減、次いでベトナムが19.4%減など。

3年連続で100万t台を超え、5年連続増加となった19年冷凍野菜輸入量を、国内生産量と調理冷食輸入量に加えた国内消費量は2.0%増の295万1388tとなり、国民1人当たりの年間消費量は2.2%増、23.4kgと過去最高を更新した。

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