麦茶・健康茶特集
◆麦茶・健康茶特集:ティーバッグ再評価の兆し プラごみ削減にも貢献
19年の麦茶市場は、長雨や冷夏の影響で飲料全体が苦戦する中、前年比4.9%増と前年超えを果たした。好調の流れは20年に入ってからも続いている。最大の理由は、現代の健康志向と合致していることだ。特にティーバッグ麦茶はノンカフェイン、ノンカロリーの健康性と低価格な経済性を兼ね備え、子どもからお年寄りまで飲用層が幅広いのが特徴だ。定番の煮出し、水出しのほか、最近ではマイボトル用のティーバッグも登場。PETボトルに市場を奪われて久しいが、プラごみ削減の流れはティーバッグ再評価の機運を後押しする。(三井伶子)
麦茶市場は節約・健康志向を背景にティーバッグ、飲料とも拡大傾向にあるが、働く主婦家庭の増加や食の簡便化に伴い飲料の伸びがより顕著だ。「ティーバッグの伸びはいずれ頭打ちがくる。PET飲料に消費が移行するのは避けられない」(業界関係者)と、ティーバッグの将来を懸念する声が上がる。一方、人口減少や高齢化が進む中、徳用ティーバッグ以外のニーズは引き続き伸びるとみる向きもあり、高付加価値なコンパクト麦茶やさまざまな素材をブレンドした健康茶、ルイボスティーなどに特化するメーカーもある。
ティーバッグ麦茶の歴史は、昭和38(1963)年に大型コーヒー焙煎機を輸入した会社が、それを利用して麦茶の大量生産を開始し、同年に日本初のティーバッグ麦茶を発売したのが始まりだ。78年には大手食品メーカーが麦茶市場に参入。80年代には缶やPETボトル入りの麦茶が発売され、規模が小さかった麦茶市場が発展し市場規模が拡大した。
19年の市場環境を振り返ると、長雨や冷夏の影響でビールをはじめ飲料全体が不振に陥る中、ティーバッグ麦茶は4月と7月を除くすべての月で前年の販売を上回った。8、9月は2桁増となり、最終的に前年比4.9%増で着地した。飲料の統計を見ても、茶系飲料全体で同2.2%増、そのうち麦茶は同8.0%増だった。昨年は紅茶市場が7年ぶりに拡大するなど、茶系飲料全体で好調が続いている。
20年はシーズン入りから新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛など出足が懸念されたが、動きはよさそうだ。POSデータを見ると3月の販売額は同3.5%増、2~3月の販売額が同約10%増となったメーカーもある。
●輸出強化の動き
麦茶は日本以外にも韓国や中国といった東アジア地域では飲まれているが、そのほかの国や地域での知名度は低い。そこで最近、麦茶の輸出を強化する動きが出ている。3月放送の情報番組では麦茶メーカーの海外戦略が紹介され、現地の反応に手応えを得る企業の姿が映し出された。日本では冷やして飲むのが定番だが、中国では冷たいお茶を好まない人が多い。韓国では麦茶に炭酸を混ぜて飲む習慣がある。海外進出のカギは“現地の食習慣”といえそうだ。
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