こうや豆腐特集
こうや豆腐特集:製造・原料動向=1~8月製造量、8.2%の反動減
こうや豆腐はほぼ100%、長野県で製造されている。県凍豆腐工業協同組合のまとめによると、主要メーカー5社の20年1~8月期原料大豆使用量(こうや豆腐向け)は1万1579t、歩留まり率45%で推計した製造量は5211tで、前年同期を8.2%下回っている。
19年の年間製造量は推計8708tで、前年比9.2%の増加。こうや豆腐の機能性を取り上げたTV番組などの反響で需要が伸びた表れで、今年に入って反動減に転じた格好。ただ、18年実績は上回って推移し、需要ベースは引き上がったと見える。
2000年以降で製造量がピークだったのは、ダイエット効果がTV番組などで頻繁に取り上げられた04年の1万1369t。以降、周期的なブームがありつつも3~4年スパンで階段状に減産が続き、19年実績は04年の76.6%、4分の3程度に縮小している。
市場規模の縮小に加え、原材料費や人件費といった製造コストの上昇、人手不足など消費環境の変化も減産に拍車をかけている形。流通サイドの強い価格要求に沿った実質値上げの商品容量削減、メニュー・用途提案の拡大や調理の簡便化で一口サイズなどのカット商品、粉末タイプがシェアを高めていることなども、数量減につながっている。
●輸入大豆相場再上昇を懸念
輸入大豆の相場は、一時の高騰が落ち着き、4月以降は安定感がうかがえたが、8月下旬以降、再上昇を見せ始めている。
シカゴ先物相場は4~6月に1ブッシェル(容量35L、約27.2kg)当たり8ドル台で推移してきたが、9月半ばには10ドル半ばに。以降、下げ基調を見せているが、高値水準が続いている。
アメリカの主要産地で干ばつや暴風雨被害などが重なり、作柄が悪化した影響とみられる。また、飼料用などに用いられるGMO大豆の需要が世界的に高まっており、食品原料のNon-GMO大豆の価格は今後、上昇が予想される。グルテンフリー、プロテイン関連の市場拡大も、相場高につながりそうだ。