中華まん、成長へ新挑戦 山崎製パン、若年層へSNS活用 井村屋、大豆ミートまん発売

惣菜 ニュース 2020.10.14 12131号 01面
加温売場

加温売場

常温売場

常温売場

チルド売場

チルド売場

 2020年の中華まん市場は、成長に向け新たな挑戦を行う。井村屋が植物由来の代替肉「大豆ミート」を使用した「大豆ミートまん」を発売。山崎製パンは、中華まん文化を若年層に伝えるために、SNSを活用した取組みを開始。YouTubeのジャニーズJr.チャンネルで人気グループ「美少年」のメンバーが自ら調理した、中華まん「具たっぷり」シリーズの簡単アレンジレシピを紹介する動画を5日に公開。12日現在で再生回数が約27万を突破するなど話題を集めている。=関連記事5面(青柳英明)

 20年上期、中華まん市場は厳しい環境にさらされた。中華まんは、CVSカウンターに加え、スーパーマーケット(SM)の冷凍食品売場、チルド売場、常温のパン売場でも販売している。コロナ禍の影響で、販路による販売実績に差がでた。中華まんの需要期は9月から翌年3月。感染症拡大防止から大手企業を中心に2月ごろから在宅勤務が増加、さらに全国の小中学校が3月以降臨時休校となったことから、外出する人が激減。2~3月のCVSの中華まんの販売は減少した。一方、外出自粛で巣ごもり消費が発生し、長期保存可能で簡便な冷凍中華まんのSMにおける販売は驚異的な伸びを示した。ただ、その反動で常温中華まんは苦戦した。

 ウィズコロナの時代の取組みとして、山崎製パンはデイリーヤマザキなど自社業態で、加温用の個包装チルドタイプの中華まんの注文を受けてから電子レンジで加熱し、個包装のまま提供するサービスを開始する。

 その外見から変化を感じることが難しいが「中華まん」は毎年進化している。山崎製パンは、主力の「具たっぷり」シリーズなどの生地について、製パン技術を活用し、電子レンジで加熱しても、硬くならず、ふっくら、ふんわり仕上げるように改良。ちなみに、電子レンジで加熱すると生地中の水分を温めるので、温まった水分が水蒸気として飛ぶ。一方、CVSカウンターではスチーマーで温めるため、生地の水分は飛ばない。つまり、常温の中華まんの生地とスチーマーで加温する中華まんの生地は、同じように見えて別の物だ。各メーカーは、目立たないが中華まんのおいしさを決める生地の研究開発を常に行っている。

 外出自粛が長期化する中、定番の加工食品にひと手間加える、アレンジレシピが人気だ。ジャニーズJr.チャンネルで山崎製パン提供番組では、「具たっぷり」シリーズの簡単アレンジレシピに「美少年」のメンバーが自ら調理し挑戦。肉まんにパン粉を付け揚げた「メンチカツバーガー風肉まん」、あんまんにはちみつ梅を混ぜたクリームチーズを入れた「梅クリームチーズあんまん」、ピザまんにソーセージをはさんだ「ドッグ風ピザまん」ひと手間で劇的に変化するレシピは人気を集めそうだ。

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