#元気いただきますプロジェクトNEWS:関門海 国産トラフグ訴求を

外食 特集 2021.02.22 12191号 10面
山口久美子社長(右)と通販部門を担う池田正之取締役商品・営業企画部部長

山口久美子社長(右)と通販部門を担う池田正之取締役商品・営業企画部部長

トラフグを「厚切り」してぜいたくなおいしさを届けた

トラフグを「厚切り」してぜいたくなおいしさを届けた

 ◇地域の創意による販売促進事業=関門海

 ●生産者との関係を深化

 全国でトラフグ専門店「玄品」を展開する関門海は、「#元気いただきますプロジェクト」に参画し、店舗や通販で消費者に国産トラフグのおいしさが存分に伝わる特別メニューを販売した。単なる値引きではなく、国産トラフグの喫食体験増加を狙ったメニューを打ち出し、消費者に国産トラフグの味をあらためて訴求。これにより同社は、国内食材のファン獲得と水産業者との関係深化を両立した。

 「#元気いただきますプロジェクト」を利用し、同社では店舗と通販で特別メニューを販売した。20年12月は「創業40周年記念 極上『厚切り』とらふぐフェア」「てっさ・てっちりが2倍増量!キャンペーン」など3回にわたってお得なコースを展開。さらに21年1月の「天然ジャック!!スペシャルウィーク」では全コースの価格はそのままに、通常では養殖トラフグを提供するところ、すべて天然ものに代えて提供した。常連客でも初めて天然フグを食べるという人は多く、天然ならではの歯応えや風味が好評を博した。通販でも「国産とらふぐ唐揚げ」を通常の倍量で販売。これらの取組みに後押しされ、通販は20年12月単月では前年比10倍の売上げとなり、会員数を底上げした。21年1月も想定以上の売上げとなり、これまでの取組みへの手応えを得ている。

 山口久美子同社代表取締役社長は当初、「生産者を助ける」という発想を“おこがましい”と感じていたという。しかし、取引先の水産業者から紹介を受けて「#元気いただきますプロジェクト」に参画したことをきっかけに、「お互いに助け合う」という発想に転換できたと語る。この取組みを通じて生産者と想いや苦労を伝え合い、関係を深めた。生産者から、国産トラフグの内需拡大の役割を強く期待されていると、あらためて知ることができたという。

 山口社長が今年、トラフグの本場、下関市での初競りへ初参加がかなったのも「#元気いただきますプロジェクト」をきっかけに生産者との信頼関係が一層深まったため。山口社長は競りの活気を肌で感じ、日本の漁業をさらに発展させたいと決意を新たにした。そこで同社は、トラフグを“日本を代表する食材の一つ”として、いかに消費者においしく食べてもらうかを追求し、漁解禁期間中に天然トラフグの一本売りをチルドで販売する新たな取組みを創造。冷凍ものには出せない特別なおいしさで、さらなる国内食材のファンを創出する。(篠原里枝)

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