数字で読み解くフードサービストレンド:デリバリーで唐揚げは約2倍の市場に
新型コロナウイルス感染拡大による自粛生活が後押しし、デリバリーが飛躍的に伸びています。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス「CREST」によると、2020年のレストランのデリバリー(宅配ピザ、デリバリー代行サービス含む)市場規模は、6264億円で、19年の4183億円から50%増、つまり1.5倍の規模となりました。では、デリバリーで、どんなメニューが最も増えているのでしょうか。
コロナ感染拡大後の20年4月~21年3月に、デリバリーの中で食機会数が前年同期比で大きく増加した主要メニューを見てみると、チキンナゲット、ハンバーガー類、ポテト料理(フライドポテトなど)がファストフードチェーンのデリバリー拡大で3~4倍となりました。カレーが125%増、丼物が120%増、鶏の唐揚げが99%増、寿司が93%増で、この3メニューはデリバリーにおいてコロナ前の2倍の規模になっていることが分かります。
鶏の唐揚げは、専門店やゴーストレストラン(バーチャルレストラン)の参入も相次いでいる、コロナ禍注目メニューです。デリバリー内での出現率(100食機会当たりの食機会数)は、まだ3%程度ですので、今後も成長の余地はありそうです。
デリバリーメニューを設定するときは、市場が大きく成長も高い王道メニュー+他社と差別化もできる選択肢が広がるメニューを考えていくことがヒントになりそうです。
(エヌピーディー・ジャパン 東さやか)