食品産業文化振興会、後藤真理恵氏が講演 SNS炎上対策の重要性とは
日本食糧新聞社が主催する食品産業文化振興会は10月13日、講師にSNSエキスパート協会の後藤真理恵代表理事を迎えて「企業と社員を守る!『SNSリスクマネジメント』の要諦」をテーマに東京・八丁堀の食情報館で開催した。コロナ禍で会合が制限される中、三密を考慮したWeb講演・受講と会場参加の三元体制で開催した。後藤氏は「SNSは誰もが自由に参加して楽しめて便利だが、自由だからといって何をやっても許されるというわけでもない」と基本ルールを説明した。「Web上の特定の対象に対して批判が殺到して収まりがつかなくなる、いわゆる炎上するリスクもある」ことを示し、「炎上してしまうと企業のイメージダウンや経済活動を妨げることにも発展する危険性もはらんでいる」と警鐘を鳴らした。
SNS上でのリスクである炎上は、さまざまな原因で発生することがあるが、「段階が進むにつれ鎮火が難しくなるため早急な対応が必要だ」と強調した。企業が気を付けるべき炎上のケースとして「公式アカウントの不謹慎な投稿・誤投稿」「不祥事、商品やサービスの欠陥など。センシティブなテーマを扱った広告や宣伝」をあげ、「特にデマやフェイクニュースなどに巻き込まれた炎上は、防ぐのが難しいため慎重な対応が求められる」とした。
どんなに慎重にSNSを運用していても炎上は起こりえるが、炎上対策として重要なのは「『予防』『早期発見・早期消火』が大切だ」とした。予防策として「職員のためのガイドライン・研修の実施」「SNS利用者に向けたソーシャルメディアポリシー」「ファン、フォロアーとの良好な関係構築」が効果大とした。また、早期発見・早期消火ではモニタリングや対策マニュアルを挙げ、「トラブル対応フロー体制の確立」「モニタリングシステムの導入」の必要性を強調した。また、炎上発生時の対応として「『当方はちゃんと炎上に気付いており、現在対応中です』といったメッセージをいち早く世の中に伝える」ことを勧めている。炎上を素早く消火する方法は存在しないことから「一次対応後に本格対応を行った後は、炎上が鎮火するのを待ちましょう」とした。(宇津木宏昌)