メニュートレンド:ボリューム炒飯 女性好みのふわとろ卵
大阪市にある「チャーライ極」は、チャーライ専門店。チャーライとは、チャーシューライスの意味。チャーシュー入りのチャーハンの上に、ドンと卵をのせた独特のスタイルである。開店以来、行列ができる店として好調に推移しているが、なんと女性客が7割という驚異の女子率。「ボリュームあるメニューは男性向き」という概念を覆す同店の魅力を取材した。
●タレをかければ口中で味が完成
同店は、創業30年の「らーめん極」の姉妹店。チャーライは、この本店が発祥だ。「きっかけは、チャーハンに卵をのせて一緒に食べればうまいはずという発想」と米島博幸店主。まかないで出すと好評で、20年前からサイドメニューとして提供を始めたとか。
登場以来、チャーライ目当ての客が急増。バリエーションを広げ需要に応えたいと、2016年に専門店として同店をオープンした。隣には系列の中華そば店「麺匠丸極」があり、そちらでもチャーライを提供して人気に応えている。
チャーハンの具材は、チャーシューと九条ネギで、塩、コショウで味付け。卵は2個使用し、ふわとろの食感に焼き上げる。卓上には3種類のタレがあり、味を調節しながら食べられるのがポイント。「タレをかけることで、口中で味を完成させる」という狙いから、あえてあっさりした味に仕上げているという。
卵をのせただけの「チャーライ」(650円)と、トッピングを工夫した「西成」「たこ」「えび」の全4種類を用意。一番人気は「西成チャーライ」で、下ゆでしてサッと炒めたホルモンをのせる。2年前に豚から牛ホルモンに変更したという、素材とおいしさを追求した自信作だ。
無料のトッピング類もあり、ラーメン5種類とのセットも可能。また、限定メニュー「極三郎丼」は、チャーハンの具材を炒めずにのせる発想から生まれた。300gの豚ばら軟骨が入る驚きの重量感だが、こちらも女性人気が高い。
「今後はキッチンカーでのイベント出店でもチャーライを広めたい」と米島店主。大阪のご当地焼そばの店もオープン予定とかで、次の挑戦も楽しみだ。
●店舗情報
「チャーライ極」
所在地=大阪市西成区山王1-1-10/開業=2016年7月/坪数・席数=約10坪・9席/営業時間=11時~15時、18時~21時。不定休/平均客単価=1000円/1日平均集客数=170人
●愛用食材・資材
「純正ラード」
原産国=オランダ 輸入者=双日食料(東京都港区)
コクある炒め油のベース
同店ではチャーハンの炒め油を、同品と刻んだ玉ネギやニンニクを加熱してアレンジ。さまざまな油を試してきたが、3、4年前に同品に行きついたとか。「これは“世界一のラード”といわれる商品。無味無臭だがコクがあり、コメを炒めて油がコーティングされるとまったりした味になる。今後も愛用する商品」と、米島店主は魅力を語る。
規格=10kg
【写真説明】
写真1:「西成チャーライ」はキムチ付き。ホルモンは、シマチョウ・テッポウ・ハツ・アカセン・センマイ。「極三郎丼」は、白ご飯にキャベツ・卵焼き・チャーシュー・豚ばら軟骨1本・九条ネギ・フライドオニオン・キムチ・炙ったチーズ入り。タレは、「チャーライたれ」「にんにく入り」「わさび入り」の3種