多忙でも読める外食ニュース

2023.03.06 529号 04面

 ●コメダ珈琲の直営店、東南アジア初出店

 コメダが、インドネシアのバリ島に東南アジアで初の「コメダ珈琲店」を出店。昨年3月、インドネシアに設立した子会社を通じて直営店舗を出店した。店舗のデザインは日本国内の店づくりを踏襲しているが、メニューには抹茶やグリーンティーなどを加え、モーニングサービスではおにぎりも選べるなど同グループ内の和業態ブランド「おかげ庵」のアイテムも導入。出店した立地はバリ島の観光エリアであり、現地居住者だけではなく観光客もターゲットとしている。

 解説=同社は現在、グループ全体で970店舗以上を展開している。コロナ禍の中でも堅調に店舗数を増やしてきたが、これまで海外の店舗は台湾や上海など35店舗ほど。今後は海外における出店が飛躍のカギを握ると思われる。

 ●すかいらーくHD、飲茶「桃菜」新業態

 すかいらーくホールディングスが飲茶の新業態「桃菜」を東京・町田に出店。同店は1986年にオープンした「バーミヤン」1号店を業態変更したもの。昨年、一部の「バーミヤン」店舗で実施した「飲茶食べ放題」キャンペーンが好評だったため、食べ放題のコースメニューがある飲茶専門店として業態開発した。点心を中心に約50種類の料理を用意し、食べ放題コースのほかセットメニューやアラカルトでも注文できる。注文後に専用の機器で蒸し上げて提供するオーダーバイキング方式。

 解説=昨年、「バーミヤン」で実施した「飲茶食べ放題」のキャンペーンでは、実施期間を1ヵ月と想定していたが1週間ほどで予定数が終了してしまったという。同ブランドは、年内に関東で20店舗の出店を計画している。

 ●ゼンショーHDが、ロッテリアを買収

 ゼンショーホールディングスが「ロッテリア」の買収を発表。同社の完全子会社であるゼンショーファストホールディングスが、ロッテホールディングスの保有する子会社ロッテリアの全株式を譲受する契約を締結した。同社はかつてダイエーの「ウェンディーズ」を買収したが2009年に売却。コロナ禍の中で各社が外販需要に対応できるバーガー業態の強みを再認識しており、同社もシナジー効果が見込めると判断した。「ロッテリア」のブランドは一定期間継続される契約であるという。

 解説=ロッテリアは1972年、東京日本橋に1号店を出店。今年の年初時点で358店舗を展開しバーガー店チェーンとしては3位に位置するが、店舗数4桁規模の「マクドナルド」「モスバーガー」からは大きく水をあけられている。

 ●幸楽苑HD創業者、経営に復帰

 幸楽苑ホールディングスの創業者で2021年に代表権のない相談役に退いていた新井田傳氏が、子会社である事業会社幸楽苑の会長に復帰。同氏は1970年に同社を設立し、2003年には東証一部上場を果たしている。同社の設立50周年を機に経営の一線から引退し、相談役として息子である代表取締役社長の昇氏を支えるとしていた。同社は2月、2023年3月期の通期業績予想を下方修正し、当期純損失が19億5000万円に拡大すると発表。3期連続で営業赤字になる見通し。

 解説=同じラーメン業界で同規模の売上高だが海外事業に注力する力の源ホールディングスは、同年3月期の通期予想で増収増益を見込む。この差は主に売上高に対する販管費率の違いによるもので、国内コストの高騰がうかがわれる。

 ●外食チェーン、迷惑行為が拡大

 「スシロー」に端を発した外食チェーンでの迷惑行為が次々と他社チェーンに拡大。1月の末、「スシロー」の店内で若者が回転レーンの商品などに迷惑行為を行っている動画がSNSに投稿され、それが話題となってテレビなどでも報道されたことで大きな社会問題となった。その後、他の外食チェーンも含めて、卓上の食器・備品や共通利用の薬味・調味料などに対する迷惑行為の動画が次々と見つかり、チェーン各社は衛生面での対策と来店客の不安解消に追われるという事態に発展した。

 解説=騒動の発端となった「スシロー」は一時、株価を大きく下げるなどの影響もあり、「刑事・民事の両面から毅然とした対応」を行うと公式に発表。被害を受けた他社の中にも、それに準じた処置を検討するという企業が出ている。

 ●ダスキン「ミスド」、6年ぶりの海外出店

 ダスキンがシンガポールに「ミスタードーナツ」を出店すると発表。昨年、現地の外食企業と締結したマスターフランチャイズ契約に基づき、シンガポール1号店(テイクアウト型)を5月に出店する。同社の海外出店は6年ぶり。

 ●スマイルズ創業、遠山社長が引退

 「Soup Stock Tokyo」で知られるスマイルズの創業社長、遠山正道氏が代表取締役社長を引退。取締役兼CCOであった野崎亙氏が取締役社長に就任した。野崎氏は2011年の入社。遠山氏は代表となる。

 ●「東京チカラめし」、バンコクに出店

 SANKO MARKETING FOODの丼業態ブランド「東京チカラめし」がタイ・バンコクにライセンス契約による1号店を出店した。同ブランドは現在、日本国内に直営店とFC店を各1店舗、香港にライセンス店を3店舗出店している。

 ●「なだ万」が初の、地域レストラン運営

 なだ万は、東京・麹町に福岡県のアンテナレストラン「麹町なだ万 福岡別邸」を出店。同地で2018年から営業していた福岡県のアンテナレストラン運営を引き継ぎ、自社ブランドを冠した。同社が地域に特化したレストランを運営するのは初めて。

 ●鳥貴族が米国進出、子会社を設立

 鳥貴族ホールディングスが4月、米国・ロサンゼルスに子会社を設立。米国への進出を踏まえ、これまで調査・検討を行なってきた。同社は長期ビジョンとして「世の中を明るくしていくグローバルチキンフードカンパニー」になることを掲げている。

 ●ロイヤルHDが、経常黒字に転換

 ロイヤルホールディングスが2022年12月期決算を発表し、コロナ禍以降で初めて経常黒字に転換したことを報告。連結売上高は1040億円超で前年同期に比べて約24%の増加となり、外食事業のセグメントでも大幅な増収増益となっている。

 ●「ファーストキッチン」、渋谷センター街店閉店

 東京・渋谷の「ウェンディーズ・ファーストキッチン」渋谷センター街店が閉店。同店は1978年に「ファーストキッチン」の3号店としてオープンし、2016年からは両ブランドのコラボ店として営業していた。ビルの建て替えに伴い閉店となる。

 ●カルビーの新事業、工場と地域店つなぐ

 食品メーカーのカルビーが、自社を含む各社の工場とその周辺地域の飲食店をつなぐサービスを北関東エリアでスタートした。地域の飲食店がフードトラックなどで工場内に出店する際の仲介事業を行う。同社の新規事業開発の一環として社員が発案。

 ●「はなまるうどん」、物流施設に出店

 千葉県流山市の物流施設内に「はなまるうどん」が出店。企業内の売店や食堂などを手掛ける心幸ホールディングスのグループ会社、心幸クリエイトが運営する施設利用者向けカフェテリア内でカウンター販売。5月には同カフェテリア内に「吉野家」もオープンの予定。

 ●「ららぽーと」に、新フードコート

 三井不動産の商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」に、全11店舗約670席という小型のフードコートが新たにオープンする。同施設は1981年、千葉県船橋市に開業した初代「ららぽーと」で、開業から40年以上を経た現在でも多数の利用客を集めている。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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