永谷園、トースト専用ふりかけ「トッピー」発売 食パン市場狙う
ふりかけ市場に食パンと食べる新タイプの商品が登場した。(株)永谷園(東京都港区、03・3432・2511)は19日から「トーストにトッピー」=写真=を発売し、「トースト専用ふりかけ」を新提案する。ふりかけの食形態は「ご飯と一緒」が一般的だが、コメ需要は長期的に伸び悩んでいる。同社は「米飯に依存している以上、ふりかけの大きな成長は見込めない」と判断。コメと同じ「主食型」の食パン市場にもターゲットを拡大し、新規需要の開拓を図る。
一九九三年のコメ不足による輸入米導入で消費者のコメ離れが進行し、米飯関連商品であるふりかけ・お茶漬けなどの市場は厳しい展開を強いられている。そのため、「コメと切り離した」形の商品開発が市場の課題となっており、各メーカーはパスタや焼きそば向けなど新たな分野への商品展開を始めている。
永谷園は、食パン市場に着目した。食パンの市場規模は約一九〇〇億円に達し、ふりかけの「分母」となる土台はできている。スプレッドやバターなどの関連商品も伸びているためだ。「トースト専用の調味理は、マーガリンやジャムなど以外にバリエーションが少ない。ふりかけを“トッピング”感覚で提案すれば、新規需要が掘り起こせる」(同社)と判断した。
「トーストにトッピー」はこれまでにない、「トースト専用ふりかけ」の構想で開発した。焼いた食パンにバターやマヨネーズをぬり、ふりかけるだけですぐ食べられる。アイテムは、「ハニーナッツ」「アップルシナモン」「ツナ」ピザ」の四つ。
「最近は新製品防衛型のものが多かったが、“トッピー”は、提案型の自信作。今期の重点商品に位置づけ、テレビCM、店頭販促を大量に投入して育成する」(同社)と期待が大きい。新コンセプト商品なので、量販店も強い興味を示し、「すでに計画の倍以上の受注がある」(同)と好調な滑り出しだ。
19日に北海道、20日に中国地区からテスト販売を開始し、来年以降全国展開する計画だ。初年度売上げは九億円を見込む。
当面はふりかけ売場で展開するが、今後は食パンとの関連販売なども狙う。
〈商品メモ〉内容量=「ハニーナッツ」一四・四g、「アップルシナモン」一八・四g、「ツナ」七・二g、「ピザ」一一・二g▽荷姿=四袋×一〇P×六B▽標準小売価格=一三〇円