心の体操(2) ウツの症状、体操で健やかな生活を
先月号で紹介した「心の体操」は継続されているだろうか。成功の秘訣は、(1)あきらめないで続ける(2)頑張らない(3)温感がなくても気にしない(4)身体を放り投げるようにする(5)力を抜く努力をしない--の五つ。前回の心の体操は洋式トイレなどで実行できるが、応用として立ったままや、寝る前にもできる(下図)ので、参考にしてもらいたい。
人はウツになると、疲れやすくなったり、集中困難に陥ったりと、生きる気力が失せていく。その症状はつねに、私たちの半歩前にある。いつ誰が半歩進んでもおかしくはない。
心の体操を続けた体験者から、便秘、頭痛、肩こりが改善されたり、体調が良くなったと、声が寄せられている。「心」と「身体」の健康を維持・増進し、快適で豊かな生活を送りたい。
▼メンタルヘルス総合研究所=電話03・5295・2577
久保田浩也氏 1936年生まれ。日本大学理工学部卒業後、(財)日本生産性本部入職。経営教育部課長、メンタル・ヘルス研究室所長を歴任。1988年メンタル・ヘルスのシステムづくりの功績によって、日本能率協会から経営技術開発賞受賞。1993年日本生産性本部を退職し、メンタルヘルス総合研究所を設立。著書に『こころの体操』『心の健康革命』(東洋経済新報社)『心のケアブック』(法研)など多数。
■応用1■
(バスや電車などで行う方法)
(1) 背筋をピーンと伸ばす
(2) 苦しくない程度に口からできるだけゆっくりと、息がなくなるまで吐く(お腹がペチャンコになるまで)
(3) 鼻から一気に息を吸う(お腹が狸の腹のようにポンポンになるまで)
(4) 上記(2)(3)を5~6回行う。これで1クールとする
※1日何クールでも思いついた時に行う
(心の体操基本型、応用2と組み合わせて行うとよい)
■応用2■
(寝た状態で行う方法)
(1) 身体を締めつけるものは緩めるか、とる
(2) 低めの枕に首と頭をのせる
(3) 足は開き、手も放り投げる
(4) 体中の力を抜く
(5) 腹式呼吸をゆっくり2回行い、目を閉じる
(6) 「両手が温かい、両足が温かい、お腹が温かい」と心の中で5~6回唱える
(7) 腹式呼吸を2回行い、トローンと目を開ける
(8) (5)(6)(7)をくり返し、そのまま眠ってしまう