漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(180)啓蟄 春雷、山菜、春キャベツ
●24節気 啓蟄(3月5日~3月19日頃)
「啓」は啓蒙の啓で「開く」、「蟄(ちつ)」は「閉じこもる」という意味を持っています。この頃、春の気配が濃くなり、土の中に閉じこもっていた虫などがもぞもぞと地上に顔を出してきます。
また、春雷と呼ばれる雷が多く発生し、これも「虫出しの雷」という別名を持っています。雷に驚いて虫たちが顔を出すからのようです。
虫だけではなく、イヌノフグリやホトケノザなど春を知らせる野草が芽吹き、ツクシやゼンマイ、フキノトウなど春の山菜がとれ始めます。
春の山菜はえぐみが強くアク抜きの必要なものが多いのですが、その必要のないのが春キャベツ。葉の巻きがゆるくてやわらかく、内部まで黄緑色のパステルカラー。瑞々しい春キャベツもこの季節の風物詩ですね。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2025年(乙巳年)
今年上半期は風気が支配的なことと、主運の木運太過が重なって強い春風が吹きそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆キャベツとツナのナムル
簡単調理で栄養を逃さない!
エネルギー169kcal たんぱく質8.8g 塩分0.6g(1人分)
〈材料・2人分〉
・キャベツ……200g
・ツナ缶(オイル漬け)……1缶(70g)
・たまねぎ……50g
・ひじき缶(水煮)……30g
A・いりごま(白)……小さじ2
A・ごま油……小さじ1
A・にんにく(おろし)……小さじ1
A・粉末中華だし……小さじ1/2
A・しょうゆ…….小さじ1/2
〈作り方〉
(1)キャベツは洗って、手でひと口大にちぎり、耐熱容器に入れる。ラップをかけて電子レンジ(600W)で3分加熱し、ザルにあげて冷ます。
(2)たまねぎは薄切りにして長さを半分に切り、ボウルに入れる。Aとツナ、水気を切ったひじきを加えて混ぜ、(1)のキャベツを入れて混ぜる。
※ツナ缶はオイルも全部使います。
●キャベツ cabbage
【栄養学】ビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれます。ビタミンCには抗酸化作用があり、コラーゲン合成にも役立ちます。
【薬膳学】気を補い、胃や大腸などの機能を高めます。たまねぎなど理気の食材と一緒に用いるのが、この季節のポイントです。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 奈良理香子(レシピも)