百歳さんこんにちは:神奈川県・小川君江さん(100歳)

2013.01.10 210号 06面
笑顔を絶やさない明るい性格

笑顔を絶やさない明るい性格

愛娘の手料理を堪能している

愛娘の手料理を堪能している

 横浜市・金沢文庫の閑静な住宅街で、次女夫婦と暮らす小川君江さん(100歳)は笑顔を絶やさない。信条は「いつも明るく、何ごとにも感謝すること」という、素敵なおばあさんだ。

 ◆娘時代はバレーボールに熱中

 東京・品川区で1912(大正元)年11月4日、3人きょうだいの長女として生まれた君江さん。子煩悩な父母から“蝶よ花よ”と愛され、6歳の6月6日から琴を習ったという。「子どもの頃のあだ名は“大にこにこの君江ちゃん”。いつも笑って、楽しく過ごしてきました」と、笑顔で語る。

 君江さんの母親は、東京女子医大の前身である女学校を卒業し、助産婦として住み込みの弟子を多く育てた。家はお弟子さんたちでにぎわっていたという。

 幸せな家庭に育った君江さんは、東京府立第八女学校(現・八潮高校)に入学、バレーボールの選手となり後衛のセンターとして活躍し、国体にも出場。卒業後は花嫁修業として書道、華道、和裁、料理に打ちこんだ。

 ◆「相思相愛」だった幸せな結婚

 結婚したのは1936(昭和11)年。お相手は千葉県匝瑳郡出身の大地主の次男で、日立製作所の技術者。特許をいくつも取得していた秀才だった。君江さんの結婚の第一条件は「背の高い人」で、4歳年上の英雄さんの条件は「自分が奏でる尺八に合わせて琴が弾ける美しい人」。まさに“相思相愛”で結ばれた。

 結婚後、5人の子どもに恵まれ、現在は孫13人、ひ孫8人に慕われている。毎日の楽しみは、次女・雅子さんの夫、正法さんが畑で作った新鮮な野菜をいただく時という。料理上手な雅子さんの手料理なのだから、なおさらだ。

 食べ物の好き嫌いがない君江さんは食欲旺盛で、大好物はウナギ。「孫たちが遊びにくると、お土産はいつもウナギです」と目を細める。

 ◆夫と交わした短歌の誓い

 趣味も豊富で、いまでも琴を弾く。絵も描いていて、「大人の塗り絵展」に毎年入選している。

 君江さんにとって忘れられない出来事は、1956(昭和31)年に夫・英雄さんが47歳で逝去したこと。「日立製作所に勤め、スポーツマンでした。国体に出場して槍投げで2位、砲丸投げで3位になりました」と、夫の勇姿を思い出す。「ところが戦争で身体を壊してしまい、3年半の闘病生活を送りました」。

 闘病生活の間、5人の子どもを育てながら毎日病院を訪れ、短歌を交換した。英雄さんは

 苦しみの さなかによくぞ 闘いて 妻は母性の 鏡ならずや

 と詠った。英雄さんが神に召された時、君江さんは

 わが命 かけて守らん 愛し子を 君の御霊よ 永久に 安かれ

 と詠んで棺に納めた。君江さん43歳の時だった。その誓いを守りぬき、5人の子どもを立派に育て上げた。

 ◆次世代の幸せを祈り続けたい

 健康のために心がけているのは「何事にも“ありがたい”と感謝の心を持ち、笑顔で接すること。物事を明るく受け止め、人の話をよく聞いて相手の気持ちを理解し、誰とでも調和するよう心がけています」と話す。

 「いま、どこも悪いところはありません。この調子だと110歳くらいまで生きられそうです。これからは、お世話になった方々に感謝の思いを伝えたい。そして、若い人や子どもたちが幸せになるように祈りたい」

 どこまでも感謝の気持ちを忘れない、君江さんらしい言葉だ。

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