「DAGASHIで世界を笑顔にする会」設立 「駄菓子文化」世界へ飛躍
「駄菓子文化」が世界に飛躍するための基盤が構築された。「DAGASHIで世界を笑顔にする会」は8月29日、東京都内で一般社団法人として設立し総会を開催。岡山県瀬戸内市で「日本一のだがし売場」を展開する菓子卸大町の秋山秀行社長が代表理事に就任した。秋山代表理事は、社団法人化することで、「DAGASHIが世界に認知され、世界中の人々の笑顔に貢献する」という目的の達成を加速させる宣言した上で、中小零細メーカーが多い業界をまとめ、行政などに業界の意見を伝える窓口の役割も担うと説明。既に、玩具付き菓子などを扱う駄菓子では、軽減税率の対象と対象外となる商品が混在し、同一売場で複数税率を避けたい小売業で駄菓子売場の見直しに対し説明を行っている。
活動内容は、「3月12日のだがしの日」に認知度を高め、「だがしと笑顔を好感」を全国、世界に広めることや業界が抱える後継者問題、売場縮小問題などの課題解決などに取り組む。「だがしの日」の認知拡大では、任意団体時代から、東日本大震災、西日本豪雨などの被災地におけるイベントを複数開催している。2020年の3月12日の「だがしの日~だがしと笑顔の交換日」のイベントでは、大規模地震や豪雨被災地を子どもたちが「製菓リレー」でつなぎ、15年「だがしの日」認定式を行った東京・上野動物園で「だがしの聖火台に子どもたちが点灯」するというイベントを全国規模で実施する。世界への飛躍では、15年からフランスで活動を開始し、18年には「DAGASHI、紙芝居、チンドン屋」をフランスで披露。
総会であいさつした、農林水産省食料産業局食品製造課の東野昭浩課長は、「駄菓子は、子どもたちに夢や希望を提供し、創造・発想力を豊かにする特別な存在で海外には存在しない」とし、「輸出という面でも大きな可能性を秘めている。団体名にもあるように、駄菓子の輸出で笑顔を輪を世界に広めてほしい」と期待を示した。そのほか、服部征夫台東区長、高島直樹東京都議会議員が祝辞を述べた。
「DAGASHIで世界を笑顔にする会」は、15年4月に任意団体として設立。駄菓子メーカーを中心に会員数約140社で組織。3月12日を「だがしの日~だがしと笑顔の交換日」として記念日登録し、全国各地でイベントを開催している。「3月12日」を「だがしの日」としたのは、菓祖として知られる田道間守公を祭る和歌山県海南市の橘菓祖総本社橘本神社の前山和範宮司から、「田道間守公の命日とされる日」との助言を得たことから。(青柳英明)