新型コロナ:ベーカリー店頭でパン個包装化 感染防止の動き広がる

もりもとは、はかり売りパンを個包装にして販売

もりもとは、はかり売りパンを個包装にして販売

新型コロナウイルス感染拡大を受け、ベーカリー店頭で陳列商品の個包装化や透明シートで覆うなど、飛沫(ひまつ)感染防止の動きが広がっている。ただ、厚生労働省がホームページで公開する、新型コロナウイルスに関するQ&Aでは、「食品そのものによる新型コロナウイルス感染症に感染したとされる報告はない」としており、ベーカリー店の自主的な判断による感染防止策だ。

個包装用の資材に関しては、ベーカリーでは会計時、商品ごとに小袋に入れることからコスト増は限定的だ。一方、焼きたてのパンをそのまま個包装すると水滴が小袋内部に付着し品質を保つことができないため冷ます工程と袋詰めの手間が新たに生まれる。小中高校の休校で、ベーカリーを支える人員の確保が厳しくなる中、安全・安心を担保するため難しい判断を下した。

厚生労働省では、食品が感染源となった事例はないとする一方、接触感染は新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路の一つと指摘。コロナウイルスは、アルコールに弱いことから、食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い、アルコールなどによる手指の消毒など通常の食中毒予防の一般的な衛生管理の実施で問題ないとする。これを受け、ベーカリーごとに違いはあるが、従来の入室時チェック(検温、体調確認)、手洗い殺菌消毒、作業台やトングトレーなど備品類の洗浄、殺菌、消毒などの衛生管理をさらに徹底する。

こうした衛生管理の徹底に加え、山崎製パンが展開するヴィドフランスは、店頭に陳列するパンにフードカバーを付けたり、個包装にする取組みを開始。フレッシュベーカリー神戸屋などを展開する神戸屋もセルフ販売の店舗で、セロハンを陳列商品の上にかけるほか、一部店舗では個包装対応を行う。アンデルセングループもリテールの店舗において、個包装やOPPシートをかぶせるなどの対応を行う。北海道の菓子・パン製造販売業のもりもとは当面、はかり売りのパンなどは袋に入れた状態で陳列して販売している。(青柳英明)

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