オートミール市場、100億円規模に成長 さらに拡大見通し

新規参入の増加と菓子、加工食品からもオートミール使用の商品が多数発売されている

新規参入の増加と菓子、加工食品からもオートミール使用の商品が多数発売されている

オートミール市場が100億円規模まで拡大したとみられる。インテージ社のSRIデータでは、19年と20年の比較、20年と21年の比較でそれぞれ約3倍伸長させており、19年と20年を比較すると、市場規模は約8倍以上と驚異的な伸長を示している。市場関係者の話を総合すると市場規模が100億円程度までに拡大したもようだ。一方、オートミールの価値伝達が一部分に限られていること、喫食率がまだ3割程度であること、さらには、新規参入の増加と菓子、加工食品からもオートミールを使用した商品が多く発売されており、22年も成長は加速するとの見方が広がる。=関連記事「シリアル食品特集」(青柳英明)

オートミール市場拡大の契機となったのはコロナ禍だ。巣ごもり生活が続く中、新しい食品に挑戦する動きが活発化。さらに、感染に対する不安や運動不足から健康志向が高まったことから、オートミールが持つ簡便性・保存性に加え、豊富な食物繊維を含み、低GIであることなどの健康価値、さらに「米化(ご飯への置き換え)」との言葉が注目を集めたことで市場は拡大した。一方、「米化」という言葉の市場への貢献を評価する一方、オートミールの可能性を狭くするとの指摘も聞かれており、各社は22年、「米化」以外の食べ方や価値を訴求する。

22年のオートミール市場について、メーカー各社はさらに市場拡大するとの見通しで共通。その根拠について日清シスコは自社が行った「オートミール」調査で、オートミールの認知率は81.3%と高いものの、知っているが食べたことないという人が50.3%。喫食経験者は31%にとどまっており、市場拡大の余地は大きいとの認識を示す。一方、オートミールの不満点については、3割弱が「いつも同じ食べ方になってしまい飽きる」と答えている実態が分かったことから、食品として汎用(はんよう)性が高く、アレンジできるオートミールの価値を発信。春夏向けメニュー提案としてオートミールに牛乳やヨーグルトなどをかけて冷蔵庫で数時間から一晩置いて食べる「オーバーナイトオーツ」を訴求。

日本ケロッグもオートミールの成長余地は多いとする。3月には「ケロッグ プロテイン オートミール」を発売。オートミールの「糖質控えめ」や「食物繊維が豊富」という価値に加え、新たにタンパク質もしっかり取れることを商品の特徴として訴求し、これまでもニーズのあったダイエット関心層を中心にさらなるユーザー拡大を目指す。

日本食品製造はオートミールの販路やセグメントに適した製品を投入し、「日食 プレミアム ピュア オートミール」などの主力製品は1000gなどの大容量製品も投入。またユーズやニーズに合ったオートミールを「選べる」ことを付加価値とし、インスタントタイプ、ロールドタイプとオーガニックの3タイプのオートミール製品の品揃えを小売店に提案する。

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https://news.nissyoku.co.jp/special/840205

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