久保村喜代子氏、IFT19で日本人初受賞

総合 ニュース 2019.07.12 11907号 04面
受賞した久保村喜代子氏

受賞した久保村喜代子氏

食品ジャーナリストとして国際的に活躍する、久保村喜代子氏(久保村食文化研究所代表、東京都中央区)はこのほど、米国ニューオーリンズで開催された食品科学技術者学会(IFT=本部シカゴ)2019年次大会で産学連携の推進やIFTでの活動、またジャパンセクションへの貢献を評価されて「Calvert L. Willey Distinguished Service Award」を受賞した。日本人では初めて。

久保村氏はIFTに30年在籍し、学会の評議員を15年以上歴任。フードサイエンスの啓蒙(けいもう)活動、次世代の人材育成、産業界の発展サポートを継続。

国際活動部門であるグローバルインタレスツの評議員として本部役員を7年間務め、IFTアジアエージェント・コレスポンダントおよびフードテクノロジー・インターネット・マガジン・エディターとして活動。アレルギー、宗教、遺伝子組み換え、牛海綿状脳症(BSE)、細菌性食中毒、食品表示などについてIFTのフードサイエンスと食品産業への最新情報を日本に伝達・啓蒙するとともに、日本からの最新情報も世界に向けて発信してきた。

一方で各国の異なる食品・衛生に関する法律や文化および習慣を踏まえて食品開発のキーワード「安全・安心」をクリアした風味改善・改良の配合表作成や輸出入手続きなど現実的なワークから各国のマーケットリサーチにテクニカルレポートを添えて発信するなどそのカリナリースキルと国際的ネットワークから大手グローバル企業、ネスレ、ファイザー、カルピスなど食品メーカーの新商品開発技術コンサルタントとしても活躍している。

国際間の添加物レギュレーションや工業用配合表作成、添加物申請などFDA(アメリカ食品医薬品局)やEUの仕事もサポートしてきた。また、次世代学生のフードサイエンスによる国際交流にも尽力している。

IFTは約70年の歴史があり、世界の食品科学のスペシャリストのニーズに専心して産学共同で唯一の学会活動を実施する団体で、世界に学会員数約3万人、製品開発、安全性、栄養、食品原材料・素材を網羅、最新情報満載の発刊物およびその報道や教育活動でよく知られている。

久保村氏は今回の授与について「広く食品産業のため、主婦の目、消費者の目、技術者の目を持って活動してきたことが認められた。今後も産学のバランスを保って日本人として科学啓蒙活動および意見を発信していきたい。そして長年の経験を生かした新商品開発サポートを続けていきたい」と抱負を語っている。(福島厚子)

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