新型コロナ:生鮮館なかむら、地域の外食店を支援 弁当・惣菜10店扱う

小売 ニュース 2020.05.25 12055号 12面
がんばれ街の飲食店コーナーを紹介する中村友則社長

がんばれ街の飲食店コーナーを紹介する中村友則社長

【関西】なかむらは京都市内に展開する食品スーパー「生鮮館なかむら」10店舗で、地元の外食店が製造する弁当や惣菜を販売。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言や外出自粛により、低迷する外食店の支援に乗り出した。

中村友則社長は「仕入れでわれわれのスーパーを利用していただいていた外食店の方の姿が減っているのに気付いた。一部配達もしていたが仕入れ額もどんどん減っていく。外食店が苦労されていることを肌で感じた」と話す。

一方、スーパーは巣ごもり需要で売上げが好調の中、「少しでも何かできることはないか?と考え、当店の売場で外食店の弁当や惣菜を販売し支援しようと思い立った」(中村社長=以下同)とする。弁当や惣菜の売上げはすべて参加外食店に渡している。

現在は肉料理荒川、樽八、花たぬき、麺所雁木など7店舗の商品を店頭販売。1日当たり10万~20万円ほど売り上げており、1店舗当たり平均2万円ほどになる。「コロナ前の売上げにはほど遠いだろうが、早め早めに現金で渡し、有効な支援になるように努めている」とした。

地域貢献のための取組みだが「外出自粛の中、われわれのお客さまには、外食の味が楽しめたり、当店の弁当・惣菜と食べ比べたりと喜んでいただける。中には食べログ上位の店のものもあり『あの弁当はいつ入るの?』『取り置きしてほしい』などのお声もいただく。当社の惣菜部門にとっては、外食店の弁当と売場で競合することで刺激になり、さらなるレベルアップのきっかけになる。また外食店にとっては、売上げ以外にも、スーパーで販売することを通じて、今後のテークアウトなどに必要なノウハウや気付きを得られるメリットもある」とし、それぞれの今後のビジネスにも好影響をもたらす。

4月21日から同取組みを開始。契約上は5月末で一区切りとなるが、引き続きの販売を予定しており各外食店に現在打診している。(服部泰平)

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