#元気いただきますプロジェクトNEWS:InSync 送料支援、好循環を加速
◇インターネット販売推進事業=InSync
●中小の品、世に知られる好機に
「クッキング若昆布 業務用500gセット」割引率79%、「四万十うなぎ蒲焼き2尾(280g)セット」同36%、「ミニ箱いっぱい切り花」同40%と買い得商品が並び、「完売しました」の表示も多数。価格比較サイト「Shoply」などを手掛けるInSyncが運営する社会貢献型EC(電子商取引)通販モール「WakeAi(ワケアイ)」である。同モールに並ぶのは、多くが新型コロナウイルス感染拡大の影響で販路を失った生産者やメーカーの商品だ。
同社は5月14日、販路を失い苦境に陥った事業者などが、自社の商品を出品・販売でき、また消費者も通常よりお得に購入できる通販モール「Wakeari(ワケアリ)」をリリース。その後10月に、36万人以上のユーザーコミュニティーを持ち、立ち上げ数ヵ月で累計70億~80億円の支援による流通額をもたらしたボランティアグループ「Facebookコロナ支援・訳あり商品情報グループ」(小坂達也代表)と統合。「WakeAi」と名を変え、さらなる伸長を目指す。
「#元気いただきますプロジェクト」は大きな力となった。慎祥允社長は「WakeAiを通じた応援型消費で『送料』がネックだった。従来からECに取り組んできた事業者なら『送料』を織り込んだ販売戦略も立てやすいが、コロナ禍で新たにECに活路を求めた小規模事業者は、特に負担が大きい。応援したい、お得に買いたいという消費者の気持ちに水を差す要因ともなる。インターネット販売推進事業の『送料支援』が好循環を加速してくれた」と話す。消費者も敏感に反応し、Facebookには「送料無料がありがたい」「これからもたくさん買います」など、好意的なコメントが多く書き込まれた。
中長期的に、国産の優れた商品や、中小の事業者にとってはチャンスにも成り得る、と同社長。「例えば地域の生協や飲食店が主な販路だった鶴岡食品の『国産しめさば』を、ECに出したところ『こんなおいしいしめさばを食べたことない』と大評判。限られた範囲でしか流通していなかった国産の優れた農林水産物や、人員が少なく広く営業できなかった中小企業の商品が、広く世に知られる機会になる」と力を込める。
今後の展望については「さまざまな企業と提携を進め、既存のユーザー以外にも新たなチャネルからの流入も増やしていく。またアプリ化などより使いやすくする」とした。(服部泰平)