リスク不明確な食品表示 注意書き義務付けへ 消費者庁

総合 ニュース 2020.01.27 12003号 01面

消費者委員会食品表示部会は23日、キンポウゲ科のブラックコホシュなど4品目を指定成分として、含有した食品の表示に、「体調に異変を感じた場合は速やかに摂取を中止し、医師に相談すべき」などの注意書きの義務付けを了承した。4品目は海外で健康被害の事例があってもリスク評価できるほど科学的データがないため、食品衛生法で健康被害があった場合の報告を義務付け、食品表示法で注意書きを求めた。消費者庁は意見の公募などの手続き後の6月1日に改正食品衛生法と同時に実施する。

改正食品衛生法はHACCPに沿った衛生管理を義務付け、器具・容器包装に使う樹脂のポジティブリスト化などに加え、特別な注意を必要とする食品について、事業者は健康被害情報の保健所への届け出を義務付けた。

健康被害の報告を義務付けても指定成分として表示されていない場合、消費者に商品選択しづらく、保健所・医療機関などの情報収集にも支障があるとして表示を求めた。

表示方法は14ポイント以上の文字の使用などを指定成分含有食品、その指定成分名、連絡先などが求められている。

食品表示部会の委員からは「指定成分という名称では健康増進に寄与すると思われる可能性がある」「指定成分の名称と注意書きは近接して表示すべき」「リスク評価し終え、安全性が確認できた場合、すみやかに情報提供すべき」「6月1日に施行で大丈夫だろうか」などさまざまな意見が出ている。消費者庁はすでに業界との調整が終わっていることを示唆。また、意見公募が終わった段階でQ&Aを整理し、対応していく考え。

指定成分となったのはキンポウゲ科のブラックコホシュ、シソ科のコレウス・フォルスコリー、ケシ科のドオウレン、マメ科のプエラリア・ミリフィカの4品目。植物由来で一部の健康食品に使われている。ブラックコホシュは肝機能障害などの事例が海外にあり、すでに保健所などが注意喚起している。(伊藤哲朗)

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