アサヒGHD・江崎グリコら、業種超え6社連携 幹線輸送を効率化

総合 ニュース 2019.12.09 11982号 01面

人手不足などに起因する物流問題が深刻化する中、危機意識を共有する大手食品メーカーなどが手を組み課題解決に動く。アサヒグループホールディングス(GHD)、江崎グリコなど6社が業種の枠を超えて結集。東京・大阪・名古屋をつなぐ幹線輸送を効率化する取組みを、9日スタートする。(丸山正和)

荷主である酒類食品2社のほか車両メーカー、運送事業者、求荷・求車サービスを行う企業など幅広い業種が集った。参画企業が培ってきた技術や知見を集め、新しい幹線輸送の仕組みを構築。各社が日野自動車の子会社であるネクスト・ロジスティックス・ジャパンに1億円ずつ出資することで事業化した。

新しい輸送スキームでは、東西の2ヵ所に積み替え機能を持つ拠点を設置。荷物を集約することで、車両情報と組み合わせて最適な混載パターンを算出。荷室内の空きスペースと積み荷のマッチングや大きさや重さ、輸送頻度の異なる荷物を混載することで、各車の積載効率を最大化する。需要期のズレについても計算し、一年を通じた平準的な積載効率を追求していく。

輸送には専用に開発した全長25mのダブル連結トラックを使用。運転手一人で大型トラック2台分の輸送が可能だ。ドライバーについても睡眠改善プログラムを取り入れた体調管理を実施。長時間労働の抑制を図るほか、荷室内をセンサーで可視化。輸送と荷役の作業を分離し働きやすい環境づくりに努める。

アサヒGHD理事の島崎市朗物流部門ゼネラルマネージャーはこの取組みを「目標を共有する企業同士の業種を超えた連携なくして実現できない」と評価。「荷主企業として物流環境に危機感を抱いてきた」という江崎グリコSCM本部ロジスティクス部の渡邊武部長も「従来なかった幹線物流構想が問題解決の糸口になる」と期待をかける。

今後、実際に運用する中でノウハウを蓄積するとともに、参画企業の拡大を図り、輸送の新しい仕組みとして定着させたい考えだ。

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