新型コロナ:吉祥寺デジタル村KAN PAI SHO、宅配とオンライン飲食融合

「吉祥寺デジタル村KAN PAISHO」QRコード

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テーブル配置イメージ

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新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にある飲食店。今、吉祥寺では経営危機を迎えた店舗を支える新しい試みがスタートしている。宅配とオンライン飲食が融合した「吉祥寺デジタル村KAN PAI SHO」は、「緊急事態宣言」発令の前日、4月6日に開設した出来たてホヤホヤのサイト。同サービスを立ち上げたイベントディレクターの近藤丈二氏にその経緯と狙いを聞いた。(三輪周二)

●腰を据え新型コロナに対応

–Webサイト開設の経緯は。

近藤 吉祥寺は自らが育った街でもあり、なじみの飲食店も多い。イベントプロデューサーとして武蔵野市の友好都市・富山県南砺市とのイベントを開催したこともあり、Webサイトの構築は苦にはならなかった。

新型コロナウイルスの感染は2月ごろから急速に広まり、前例のない非常事態になると確信した。政府が「緊急事態宣言」を出す前日の4月6日に突貫工事で専用Webサイトを開設し、宅配とオンライン飲食を融合した「吉祥寺デジタル村KAN PAI SHO」を立ち上げた。

–どのような内容か。

近藤 このサイトはRemoという会議ソフトを使い、いつも行くなじみ店にフラッと顔を出すようなイメージを念頭において制作した。

入室すると6人用テーブルがいくつも並んでいる。フードコートに近いイメージで、サイト開設時は3店、現在(5月13日時点)は6店の飲食店が参加している。

一つのテーブルに座れるのは6人までだが、テーブル自体はたくさんあり、最大200人まで参加できる設定になっている。

–どのようなことができるか。

近藤 互いの表情を映して会話を楽しむインターネットコミュニティーサイトで、直接デリバリーオーダーすることも可能。宅配範囲は、店舗から2~3km程度が前提となる。

フードコートと同様、テーブルを移動するのは各人の自由。行きたいテーブルを選び、ダブルクリックするだけで、すぐに移動できる。Zoom飲みなどではトイレで席を立つ際にも気を使うが、これなら気軽に別のグループの会話に移動でき、途中退出もしやすい。

デリバリーは無理だが、吉祥寺近辺に住んでいない人も参加でき、会話を楽しむことができる。

新型コロナウイルス感染問題は終息の姿が見えず、年をまたぐ長期戦の様相を呈している。飲食業界も腰を据えた対応が必要だ。近藤氏はこうした宅配とオンライン飲食を融合したツールを使い、困難な時代を生き抜く飲食店をさらに応援していく意向だ。

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