コスモス薬品・横山英昭社長 「安さで勝負」、増税機に価格攻勢へ

小売 ニュース 2019.07.19 11911号 02面
横山英昭社長

横山英昭社長

コスモス薬品は、10月の消費増税を機に一段と低価格戦略を強化する。消費の低下とデフレは避けられないとする見通しを前提に、かつ人件費が高騰する中での競争だからこそ自社の強みが生きるという。

横山英昭社長は16日の会見で「デフレが加速する中、安さで勝負できる企業は強いと思っている。人件費高騰と消費不況でライバルは疲弊する。当社は不況の申し子だと思っている。一層の安売りをして、このピンチをフォローの風に変えたい」と語った。

19年5月期の営業利益率は前年並みの4.1%だった。今期は増税対策を織り込み0.3ポイント減の3.8%で予算を組む。通期では0.1%増の増益を見込むが、増税直後を含む上期は4.1%減の減益で計画する。

経営企画部長の柴田太取締役は、「例年、通期の計画は営業利益を横ばいに設定してスタートする。営業利益率4%は一つの目安だが、毎年下がることを前提に予算を組んでいる。ライバルとの差が開けば、いつか利益率は改善できると考えているからだ。今期のように特別な事情があれば、減益もいとわない」と語る。

なお、価格表記は10月以降も現在の総額表示を維持する。「お客さまには分かりやすいと好評だ。税込み価格でも安いと評価されることを目指していく」(横山社長)

19年5月期の売上高は9.5%増の6111億3700万円、このうち食品は9.7%増の3438億円だった。売上げに占める食品の構成比は0.1ポイント増の56.3%となっている。20年5月期は売上高6585億円(7.7%増)、営業利益248億円(0.1%増)を計画する。(宮川耕平)

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