良品計画、武蔵野美大とコラボ店 MUJIcom業態の進化モデル

ニュース 小売 2019.07.31 11918号 10面
キャンパス内の店舗で学生と新たな価値創造を目指す

キャンパス内の店舗で学生と新たな価値創造を目指す

対面形式で日替わり丼などの外食を提供

対面形式で日替わり丼などの外食を提供

大学側が企画・運営するスペース「オープンマーケット」

大学側が企画・運営するスペース「オープンマーケット」

良品計画は18日、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)内に、同大学とのコラボでMUJIcom(ムジコム)業態を開設した。物販265平方m(80坪)、カフェ308平方m(94坪)で構成する。通りに面した1階に位置し、学内の閉鎖商圏ではなく一般客もターゲットとする。(宮川耕平)

売場内に大学側が運営する「オープンマーケット」を常設、学生の企画や地域とのコラボによる物販・サービスを提供する。店舗外には学生がデザインした屋台も展開、オープンマーケットと同様にさまざまな企画を実施していく。

同店は、産学共創により店舗の新たな機能や価値の創出を目指す。良品計画にとっては、地域で役に立つ個店という全体方針に基づく新たな実験となる。

金井政明会長は、「武蔵野美術大学の関係者は、これまでも当社の商品・店舗空間・コミュニケーションの土台づくりに関わってきた。これらのデザインは当社のビジネスの基軸になっている。学生とテーマを共有し、コトやモノを考えていくことは人の育成という意味でも意味がある」と言う。

長澤忠徳学長は今回の取組みについて「学生がビジネスに実際に関わる舞台を用意できた。モノを売る場という店舗の既成概念を乗り越えていく場にしたい」と期待を寄せた。

ムジコムは、コンビニサイズの小型店として展開しているが、「コム」はコミュニティー、コミュニケーションの意味も含むという。産学共同プロジェクトで十分なスペースを確保できた同店は、ムジコムの新たなプロトタイプの実験とも位置付けている。

新機能の一つがワークショップを開催する「コムスタジオ」で、端材を活用したクラフトづくりなどのイベントを開催する。また、カフェスペースは学生の学食機能を兼ね、専用カウンターで日替わりの丼・セットメニュー(税込み600円~)やサンドイッチ、ビール、ワインも提供する。銀座店に導入した日替わり弁当も導入し、ランチ需要に対応する。

物販は日用品や食品など、学生だけでなく周辺住民のニーズを見据えて品揃えした。また、月に1回程度のペースで屋台を活用した青果市を予定する。銀座店にも納品する契約農家の青果物を扱う。

レジは基本的にセルフレジとする。カフェと物販の2ヵ所に設置した。レジスペースの縮小と関連業務の簡素化も同店の検証テーマになっている。

〈店舗概要〉▽所在地=東京都新宿区市谷田町1-4▽営業時間=平日午前7時30分~午後9時、土日祝午前10時~午後8時

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