キリンビバレッジ「生茶」、環境配慮へ取組み 100%再生PET拡大など

飲料 ニュース 2021.03.24 12204号 02面
山田雄一執行役員マーケティング部長(左)と同ブランドCMに出演する吉沢亮

山田雄一執行役員マーケティング部長(左)と同ブランドCMに出演する吉沢亮

 キリンビバレッジの「生茶」ブランドは、21年のテーマとして、「新時代へ、生茶。やさしいがおいしい。」を掲げる。CSVの「環境」領域でのフラグシップブランドとして、「環境配慮」への取組みを加速させる。3月中旬からは、再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を採用した「キリン 生茶」(600ml)と「キリン 生茶 ほうじ煎茶」(同)を全国のコンビニエンスストアで順次新発売していく。また、全国の量販店やECチャネルでは23日から、ラベルレス商品を展開し、環境にやさしい価値を持つ商品として訴求していく。

 22日にオンラインで開催した「キリン生茶事業戦略&新CM発表会」で、山田雄一執行役員マーケティング部長は「もっと環境にやさしい『生茶』を目指し、今春から(1)コンビニエンスストアでの“100%リサイクルPETボトル”の採用を拡大する。従来の『生茶デカフェ』に加え、『生茶』『同 ほうじ煎茶』と3アイテムをラインアップする。また、(2)量販店や通信販売(EC)でのラベルレス6本パックやケース販売(3)自動販売機でのラベル短尺化など、あらゆる接点で『生茶』の環境への取組みを消費者に訴求していく。今回の『R100ペットボトル』採用商品とラベルレス商品の発売により、年間約1400tのプラスチック樹脂使用量削減と年間約1300tのCO2排出量削減(いずれも製造計画に基づく同社試算)を期待している」と語った。この取組みの背景には「リサイクルの実態と消費者の意識に存在する乖離(かいり)がある。消費者のPETボトルリサイクルへの高い意識に対応すべく、リサイクルPETボトルが消費者の手に届く環境へ進化していく」と山田執行役員は語る。

 同社によると19年の国内のPETボトルリサイクル率は85.8%と高い数字(PETボトルリサイクル推進協議会調べ)だが、19年の「ボトルtoボトル」(PETボトルからPETボトルを再生利用する)リサイクル比率は12.5%(同社試算)と推測されるという。この「ボトルtoボトル」リサイクル率が10%台であることの消費者認知は20%未満(同社調べ)と推測されることから、今回の取組みにより、高いPETボトルリサイクルへの消費者の期待に「おいしさとやさしさ」で応えていく。(本吉卓也)

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