日本食糧新聞社制定「第11回地域食品産業貢献賞」 功績たたえ7社選定

総合 ニュース 2023.07.31 12620号 01面

厳正な審査を重ねた選考委員

厳正な審査を重ねた選考委員

 ●9月14日に表彰式開催

 日本食糧新聞社制定「第11回地域食品産業貢献賞」の受賞企業が決定した。同賞は国内の各地域で優れた商品を生産・提供する企業をはじめ、さまざまな地域密着型の活動(地域社会貢献活動および食育活動など)を推進する企業を顕彰するもの。今回は全国から選出された候補の中から和弘食品(北海道小樽市)、千田グループ(神奈川県横浜市)、オリエンタル(愛知県稲沢市)、松浦商店(愛知県名古屋市)、井辻ホールディングス(広島県広島市)、三和酒類(大分県宇佐市)、ちゅらゆーな(沖縄県那覇市)の7社が選ばれた。表彰式は9月14日、東京・新橋の第一ホテル東京で開催する。(西川昌彦)

 同賞は本紙創刊70周年を記念して制定したもので、(1)地域活性化への貢献(2)技術革新への貢献(3)産業復興への貢献(4)社会貢献(5)ブランド力としての信頼への貢献(6)伝統を重んじて、またロングセラー商品として地域に愛されたことによる貢献(7)地域の誇りとしての存在感–以上7項目を審査基準として、その業績および功績をたたえ表彰するもの。表彰は今年で11年目を迎える。

 今回も日本食糧新聞社が全国で展開する9支社局(北海道支局、東北支局、新潟支局、長野支局、中部支社・静岡支局、関西支社、中国支局、九州支局)から例年以上に多数の企業(食品に関する幅広い業種・業態)がノミネートされ、その中で極めて地域への貢献度が高いと評された企業7社を日本食糧新聞社の役員が選考委員となり、厳正なる検討を重ね選出した。

 「第11回地域食品産業貢献賞」を受賞した企業は、北海道地区からはスープ・たれで道内最大手の「和弘食品」、関東地区からは食品卸・小売業として100年以上の歴史を誇る「千田グループ」、中部地区からは1945年(昭和20)年創業でインスタントカレー「オリエンタル即席カレー」を販売する「オリエンタル」と、名古屋を代表する駅弁屋として昨年創業100周年を迎えた「松浦商店」の2社、中国地区からはギョウザ皮や春巻皮、ワンタン皮などの製造で西日本ナンバーワンのシェアを誇る「井辻ホールディングス」、九州地区からは本格焼酎「いいちこ」で大分焼酎を全国に知らしめた「三和酒類」、沖縄地区からは離島「伊是名島」で採れた生モズクなど沖縄各種食材の普及に尽力する「ちゅらゆーな」の7社だ。

 新型コロナウイルス感染症が5月8日に2類から5類へと引き下げられたことで、各地方の食品事情もインバウンド需要がけん引して回復基調にあるものの、原材料・副資材などの値上げや人件費および電気代などの光熱費の高騰などが経営を圧迫し、地方の食品業界は総じて厳しい状況にある。しかしその中で地方独自の特色を生かした物づくりや企画で一線を画した取組みで地元食品産業の活性化に尽力している企業も少なくない。同表彰事業はそういった各地方の食文化・食品産業を下支えする企業にスポットを当て、その功績をたたえるものとして意義あるものとなっている。なお、それぞれの受賞理由は別表参照。

 ◆第11回地域食品産業貢献賞 受賞企業

 受賞企業(本社所在地) 主な貢献内容

 和弘食品(北海道小樽市) 素材全て生かすサステナブル製造 ラーメン食文化の発展へ黒子役貢献

 千田グループ(神奈川県横浜市) 加工から主食用までコメを全方位で展開 ニーズを追求した米飯商品で販路拡大

 オリエンタル(愛知県稲沢市) 斬新な宣伝活動で地元の認知拡大に貢献 インスタントカレーのさきがけ

 松浦商店(愛知県名古屋市) 駅弁で名古屋の食文化を全国に発信 事業を多角化し多様な食シーンに対応

 井辻ホールディングス(広島県広島市) テーマは「作るたのしみ、食べるたのしみ」 食を通じて地域を笑顔に

 三和酒類(大分県宇佐市) 焼酎醸造に好適な大麦「ニシノホシ」普及 産地と連携した原料品質向上

 ちゅらゆーな(沖縄県那覇市) 伊是名島産「生もずく」等産業普及貢献 地元沖縄各種食材による地域活性化けん引

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