米国家禽鶏卵輸出協会、鶏肉料理で新提案、部位別に調理法訴求
アメリカ家禽鶏卵輸出協会(USAPEEC、東京都港区、03・3583・2167)は、米国産家きん商品を認知してもらうべくマーケットプロモーションプログラムの一環として鶏肉の新しい調理法の提案活動を展開している。
米国産チキン、ターキーはコレステロール分が少なく、カロリーが低い一方、良質のタンパク質やビタミンを豊富に含む理想的なヘルシー食品で、そのヘルシーな点が最近の健康志向と合い、近年チキンやターキーを好んで食べる人が増加の傾向にあるとされる。さらに不況の時節がら、牛肉メニューからコストの低い鶏肉メニューに変更する家庭、そして飲食店などが多くなっている。USAPEEC名木祐士日本代表は「今後さらにチキンの需要が増えるためにも、鶏にもいろいろな部位があることや各部位の特質・特徴を知ってもらい、部位による適切な調理方法で鶏肉本来のうまみ・風味を十二分に引き出して味わってもらいたい。それによりアメリカをはじめ、東南アジア、ヨーロッパ、中国、インドなど各地方の味を鶏肉料理に取り入れ、アメリカ産のチキンが日本人の食生活により身近になることを切望する」と語っている。
同提案によると、まず、鶏の部位には、丸どり(ホール)、足の蹴爪からももの付け根までのもも全体(レッグ)、翼の付け根から肩にかけての胸部の胸肉(ブレスト)、翼の第一関節から先の部分の手羽先(ウイング)、ももの中間の関節から上の部分の上もも(サイ)、ももの中間の関節から下の部分の下もも(ドラムスティック)、胸肉の内側の骨に沿って左右一本ずつある部位のささ身、鶏特有の内臓で胃を覆っている厚い筋肉の砂肝(ギザー)そして肝臓(レバー)がある。今回はその中でも特によく使われる部位である、アメリカ産チキンのもも全体(レッグ)、手羽先(ウイング)、ささ身の特徴を生かした料理法を紹介する。
〈もも肉〉この部位は運動量が多い部分のため、肉質は程よく硬めで、適度に脂肪が付いていて味にコクがある。骨付きと骨無しがあり、骨付きのものはブツ切りにして使用すると良い。骨の髄や周囲にうまみがあるので、シチューなどの煮込み料理や水炊きに向いている。骨付きは、煮ても肉が縮まらず、長時間煮込むほど骨からうまみが出る。使用する時は、皮全体にフォークで穴を開けておくと加熱してもさらに皮の縮みがなく、味もしみ込みやすい。
もも肉は、さらに次の二つに分けられる。上もも‐もも肉でもこの部分は肉付きがよくボリュームがある。皮と赤身の間に脂肪があるので、余分な皮を取り去るときに一緒に取り除く。切り分ける時は筋を断ち切るように切る。照焼き、揚げ物、煮物、炒め物などあらゆる料理に幅広く使える。皮付きのもも肉を焼く場合、身側から焼くと皮が反り返るので、皮側から先に焼きはじめ裏返すとよい。また、強火で両面を焼きつけてうまい肉汁を逃がさないようにし、後は火を弱めて中まで火を通すようにすると肉本来のうまみが味わえる。下もも‐アメリカ産チキンのように皮があまり厚くなく、脂肪がつき過ぎていないものが良質である。フライドチキンのような揚げ物料理にピッタリ合うので、弁当のおかずや酒のつまみに便利。唐揚げをする場合は、肉を下味に三〇分以上つけて、味をよくしみ込ませ、小麦粉か片栗粉をできるだけ薄くつけ、低めの温度の油に入れてゆっくり中まで火を通し、最後に強火で仕上げるとカリッと揚がる。特に骨付き肉は火が通りにくいので、時間をかけて揚げることが大切。反対に、ささ身肉を唐揚げにする時は、温度が高めの油でさっと揚げる。火の通し過ぎは禁物。
〈手羽先〉この部分は、脂肪や結合組織に含まれるゼラチン質が多く、味わい深い部分であるため、スープやカレーなどの煮込み料理や揚げ物に向く。もも肉と同様、骨付きなので煮込むほどコクが出る。手羽の骨を一本取り除き、袋状に裏返したものがチューリップと呼ばれ、唐揚げに使うことが多い。
〈ささ身肉〉脂肪が少なく、柔らかくて淡泊な味わい。アミノ酸のバランスがよくカロリーが低いので、カロリーを控えたい向きには絶好のタンパク質源になる。湯通し、または蒸すと、余分な脂肪が落ちてさっぱりした味になり、和え物やサラダなどの料理に向いている。この部分は、火を通し過ぎると肉質がパサつき、味も落ちる。このパサつきを防ぐため、蒸す場合などは、完全に火を通してしまわずに、八分通りで火を止め、余熱で仕上げるのがコツだ。さらにゆでた後の汁につけたまま冷ますと、よりパサつきを押さえられる。
〈料理紹介〉アメリカ産チキンの部位でも利用頻度の高いもも肉を使い、和風でさっぱり食べられる。
「鶏の塩焼きたたき」‐作り方①鶏もも肉二枚は厚いところを開き、皮目にフォークで穴を開け、塩、酒をふってオーブンで焼く②焼けたもも肉を細切りにし、酢大さじ四、醤油大さじ四、みりん大さじ二、出し汁大さじ四、白ごま大さじ一を合わせた和風ドレッシングの半量をふりかけておく③キュウリ二分の一本、人参二〇㌘、ミョウガ二個、大葉四枚、大根三〇㌘、ネギ一〇㎝は、それぞれせん切りにし、水にさらす。ワカメ(戻して)五〇㌘は食べやすい大きさに切る④皿に細切りにしたもも肉を盛る。もも肉の上に、せん切りにした各野菜の水気を切り散らばせる。もも肉の脇に、ワカメをきれいに盛り付け、残りのドレッシングをかける。