カルピス食品、黒澤明監督初のCM「初恋」放映

カルピス食品工業(株)(東京都渋谷区、03・3780・2122)は、今年創業八〇周年を迎えるにあたり、映画監督・黒澤明氏が自身の少年時代を回想して描いた絵コンテをコンピュータグラフィックで仕上げたTVコマーシャルを制作、4月から提供番組で放映している。

世界のクロサワによる初オンエアとなった新CMは、監督が少年時代の淡い想いを回想した秘蔵の自筆絵コンテをデジタル・コンピュータグラフィックスによってアニメーション化したもので、テーマは「初恋」。「カルピス」のキャッチフレーズ「初恋の味」ともマッチしたものである。

竹林の中を走る少女。それを追う少年。少女がふと振り向くと、思わず顔を赤らめ震えてしまった想い出。そんな黒澤監督の初恋のイメージがパッヘルベルの「カノン・に長調」をバックに、幻想的に表現されている。また、ナレーションは黒澤映画に出演経験のある俳優の寺尾聰氏が担当している。

このCMはフィルム映像における世界の巨匠がデジタル表現に取組んだものとして、黒澤映像の歴史にエポックを画するもので、「初恋」というテーマ設定からも、また技法の点からも、多くのCM表現のなかにあってひと際目を引き、新鮮な感動を与える仕上がりとなっている。