アサヒビールが東北復興応援 被災地大麦でウイスキー造り
アサヒビールは22日、東日本大震災の被災地で栽培した大麦を使いウイスキー原酒の製造を始めると発表した。東北復興応援プロジェクトの一環で、津波で被災した土地の有効活用を図る。ウイスキーの商品化を目指し22年から仕込みを始め、東北の活性化につなげていく考え。
アサヒグループと東松島みらいとし機構(宮城県)が取り組む「希望の大麦プロジェクト」で収穫した大麦を使いウイスキー原酒を製造する。宮城県東松島市沿岸部の津波被災土地の有効活用を目指し、14年からこのプロジェクトに取り組んでおり今年で8年目を迎える。
このプロジェクトではこれまで海水をかぶって被災した広大な土地での大麦栽培に挑戦してきた。大麦の栽培面積や生産量を着実に拡大し、栽培した大麦は菓子やクラフトビールなどの原料に活用。商品化を通じ東松島市の産業発展に取り組んできた。
20年までの大麦の総収穫量は150tを突破し、栽培面積はプロジェクト立ち上げ当初の広さ1.4haから約14倍の19haにまで拡大。当初の目的である津波被災土地の活用に大きく貢献した。(岡朋弘)