ワタミ「焼肉の和民」、永続的な大値下げ 集客数、売上高5割増へ

外食 ニュース 2022.04.04 12382号 03面
「安くておいしい和民に回帰」を宣言する渡邉美樹会長

「安くておいしい和民に回帰」を宣言する渡邉美樹会長

 ワタミが手掛ける「焼肉の和民」(26店舗)は、長引くコロナ禍の集客不振を打開するため、永続的な大値下げに踏み切る。3月29日から順次、従来より平均2割オフの「全品429円(税抜き390円)以下メニュー」を全店導入。客単価を3300円から2500円に引き下げ、集客数と売上高の5割増以上を目指す。駅近立地の50~60席の店舗で月商1200万円以上の事業モデルを構築し、2026年までに焼肉200店舗体制を築く方針だ。

 大幅値下げに伴う効率策として、メニュー数をフード149品から68品に絞り込む。食材原価率のアップを吸収するため、配膳ロボ、特急レーン、セルフ注文端末を標準装備して、人件費率を売上げの15%程度にとどめる。

 一方で、肉の仕入れでは現行のカミチクと連携を密にし、食材輸入ではドル為替130円までは想定内だという。

 人気部位の「和牛カルビ70g・649円」や「角切りハラミ同・605円」などを429円以下に引き下げる一方、看板部位の「ワタミカルビ75g・429円」は価格が据え置きになるため、重量を90gに引き上げて、値打ち感を訴求する。ビビンバ、冷麺などサイドメニューの価格も429円以下とし、酒類は糖質ゼロのパーフェクトサントリービールを主軸に429円以下で提供する。

 3月29日の発表会見で渡邉美樹会長は「創業から38年を通じワタミ史上最大の値下げ。依然収束の見通しが立たないコロナ禍の冷え込みを打破する。2019年比の売上高は、郊外家族型の『かみむら牧場(9店舗うち海外2店舗)』は200~250%で好調だが、駅近居酒屋型の『焼肉の和民』は時短営業や休業の影響もあり、厳しく想定していた通常の70%にも届かず、苦戦が続いている。安くておいしい和民に原点回帰し、外食市場全体の再活性化を目指す」と述べた。(岡安秀一)

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