1日単位でも即戦力の「タイミー」:導入事例=さくらや食産 閑散期活用図り休暇促進【PR】

総合 インタビュー 2024.03.27 12734号 16面
さくらや食産 福田哲也代表取締役社長

さくらや食産 福田哲也代表取締役社長

阿蘇肉工房厳選 黒毛和牛食べつくし お得セット(写真提供=株式会社さくらや食産)

阿蘇肉工房厳選 黒毛和牛食べつくし お得セット(写真提供=株式会社さくらや食産)

肉工房厳選 馬刺し味わい尽くしセット(写真提供=株式会社さくらや食産)

肉工房厳選 馬刺し味わい尽くしセット(写真提供=株式会社さくらや食産)

黒毛和牛 ローストビーフセット(写真提供=株式会社さくらや食産)

黒毛和牛 ローストビーフセット(写真提供=株式会社さくらや食産)

加工場での作業

加工場での作業

タイミー 九州支社熊本拠点 カスタマーサクセス 宮田真紀氏

タイミー 九州支社熊本拠点 カスタマーサクセス 宮田真紀氏

 少子高齢化、都市部への人口集中、選べる業種の多様化などに伴い、九州でも食品業界の人材不足は非常に深刻化している。例えば食品製造業や飲食業などでも、需要に応えられる人員体制を整えるのに苦労する企業も多い。これは、企業としても大きなチャンスロスだ。さらに、従業員1人当たりの業務負荷が集中し、労働環境が厳しくなれば、既存人材流出のリスクも高まる。経営面だけでなく、社内体制面でも将来を見据え、打ち手を考えていくことは非常に重要。現状の向き合い方は、企業の未来を大きく左右する。

 そんな中、さくらや食産(熊本県阿蘇郡)は若年従業員の割合が高い。これまでも会社として、働きやすい労働環境の構築には力を入れてきた。そんな同社が、特に人手が足りず苦慮していたのが10~12月の繁忙期。社員もラインに入り、社内のエネルギーの多くを割き、何とか対応していた。そこで、昨年10月にタイミー導入を開始。生産性は大きく向上。前年度とは全く違う供給体制が築かれた。繰り返し働きに来るワーカーも多く、ワーカー同士が関係を深めた場面も。社内を振り返っても、導入後に出てきた好影響も多かったという。また、タイミーを利用して初めて生まれた新たな気付きもあった。さらに、さくらや食産とワーカー双方の意向が合致し、タイミーが縁で、正社員採用につながった事例もあった。さくらや食産とタイミーに、仕組みの内容やサービスの魅力、今回活用した際の状況などについて聞いた。

 ◆さくらや食産 福田哲也代表取締役社長

 ●作業効率化受け社内意識に変化

 当社は、食肉加工を行う卸会社です。主に飲食店や量販店など向けにBtoBビジネスを展開しています。直営店も保有しており、現在BtoCにも力を入れ始めたところです。牛肉の卸としての機能を持ちつつ、もつ鍋用商材、ソーセージ、ウインナー、ローストビーフなどの加工食品も製造する。そこが当社の大きな強みです。中でも、引き合いが目立つのがもつ鍋用商材。原料調達面も、他社との差別化ポイントと自負しています。国産の原料を使用している点も特徴。当社は、原料産地との関係を時間をかけて深めてきた。こうした調達力にもそれが生きていると思います。最近では特に、ふるさと納税返礼品やギフトで人気が高いです。

 同社の親会社はまん福ホールディングス。同グループ内には、赤牛の供給力に強みをもつ企業が存在します。グループ内で相乗効果を発揮した結果、赤牛を取り扱いやすくなっています。今後もグループの総合力は生かしていきたいですね。

 また社内の特徴として、若年層社員の割合が高い。将来に向けた中堅社員の育成も進んでいます。背景にあるのが、働きやすい環境の整備。例えば、残業や休暇などでも配慮を重ねてきました。

 タイミー導入も、そうした当社の姿勢を反映したものです。当社の年間のうち、最も繁忙期となるのが10~12月。この時期は、残業時間が増え有給もなかなか取れない。そして疲れがたまった状態で新年を迎える。そんな状況が毎年続いていました。だからこそ、繁忙期の人手を増やし、従業員の労働環境を改善したい。そんな課題意識を抱えていました。

 そこで出合ったのがタイミー。最初にタイミーの方からお声かけいただき、話を聞いてみることにしました。当時はタイミーのことをよく知らず、人材派遣のようなイメージを抱いていました。ただ、話を聞くと人材派遣とは全然違う。固定のアルバイト・パート採用する場合と比べ、閑散期への影響も小さい。本当に人手が必要な時期に、集中して人員を確保できる。活用しやすいシステムだと感じましたね。

 企業とワーカーの意向が合えば、正式に社員として採用することができる。ここも非常に大きな魅力だと思います。人材派遣では、コストがかかるケースも多いですしね。実際、当社ではタイミーが縁となって4月から入社する人がいます。

 導入開始したのが昨年10月。繁忙期の間、タイミーのワーカーを受け入れました。そこでまず驚いたのが、ワーカー同士の横のつながり。よく情報交換しているなという印象です。例えば、予定日時に自分が急遽行けなくなった際、別のワーカーに勤務を相談してくれる人もいました。

 仕事内容は、そんなに難しいものではありません。肉の計量や盛り付け、カット、包装など、衛生手順を理解していただければ、即戦力として働いてもらえる内容です。だからこそ、受け入れやすかったというのもあります。また、一度きりではなく何度も働きに来てくださるワーカーも多く、ここも助かりましたね。ワーカー同士が仲良くなっていく様子も印象的でした。

 加えて、タイミーのワーカーは、副業でされている人が多い。社会経験のある人に来ていただけるので、安心感がありました。

 生産効率の部分で、特に導入効果が大きかった。昨年度は12月の出荷が間に合わず、年明3~4月までかけて、何とか完了させました。ただ今年度は、昨年度3月に供給した以上の量を12月時点で完了。生産効率が劇的に上がりました。

 さらに導入後、社内意識の変化もありました。これまで当社では、社員やアルバイトの仕事を、それぞれ固定する傾向にありました。例えば、パートの仕事の幅を広げ、戦力化していくには時間がかかるという固定観念がありました。しかし、タイミーワーカーを受け入れて「今日働きに来られた人でも戦力になる」という場面を目の当たりにしたことで、従来の固定観念が覆りました。その影響もあって、現在は外国人労働者も雇用しています。タイミー導入前には、この発想はありませんでした。与える仕事によって、作業は効率化される。これは、タイミー導入を通じて当社が学んだことです。

 その結果、社員の仕事のやり方も変わりました。今までは人手が足りず、社員が生産ラインに入ることも多かった。しかしラインの人材を確保できることで、社員は指示などの管理業務に従事できる。そのため、社内の業務効率も大きく向上しました。

 パート従業員は、タイミー導入を通じて「自分たち自身が指導する」という経験を持てました。これは、今の職場環境にも生きていますね。

 月に何度も入ってもらうタイミングがないとタイミーでの募集はできない。そんな風にイメージしてましたが、最近そうではないことを知りました。1日単位で活用できて、例えば閑散期でも、従業員の休暇取得などを見据えて活用できる。これには驚きました。今後は、そうした新しい使い方も検討していきたいと思います。

 ◆タイミー 九州支社熊本拠点 カスタマーサクセス 宮田真紀氏

 ●レビュー機能で精度高いマッチング

 タイミーは、「働きたい時間」と「働いて欲しい時間」をマッチングするスキマバイト募集サービスです。企業さまは1時間単位での募集が可能で、必要な時間だけ必要な人材を集めることができます。また、働きに来られた人をその後お引き抜きいただき、長期雇用につなげていただくこともできます。このように一種の採用媒体として、ご活用いただいている企業さまも多いですね。登録ワーカー数は、700万人を突破しています。

 タイミーの一つの特徴がレビュー機能です。ワーカーが働いた感想を投稿でき、アプリ上に蓄積したレビューを、他のワーカーが働く先を選ぶ際に参考にしている。反対にワーカーも、働いた企業から評価を受けるシステムになっています。それが結果的に、精度の高いマッチングにつながりやすい理由だと考えています。ワーカーが企業から受けたレビューは、ワーカーが次にマッチングした働き先の企業が閲覧できます。そうした意味で、自然とよい緊張感を持って働ける環境ができているのではないでしょうか。

 さくらや食産さまは、繁忙期に大人数で募集いただきました。タイミーに登録しているワーカーには、いろいろな食品工場をまわってお仕事される人もたくさんいらっしゃいます。それらの人々のつながりもあり、ワーカー同士のコミュニティーができやすかったのではと思います。

 食品工場でのタイミー導入は、熊本県内含め全体的に増えてきています。仕事内容が比較的複雑ではないため、働きたいワーカーも多いのではとみています。

 また特に地方では、アクセス条件から人が集まりにくいというケースが目立ちますが、タイミーでは車を使って遠方から働きに来る人もいて、地方でもマッチングしている実績があります。実際、熊本県内でのマッチング事例数もかなり広がっています。

 さらに一般的な地域課題として、若年層の転出があります。自分がやりたい仕事が見つからないなどの理由で、地元を離れてしまう若年層が多い。その点、タイミーを通じて地元企業を知り、就労経験を経て就職を決める人もいらっしゃいます。就業の選択肢拡大や地域活性化にも、タイミーは貢献できると考えています。

 熊本県はタイミーとしても、導入拡大に向けて注力しているエリアの一つです。ワーカーと事業者の利用拡大に努めながら、食品業界でも一層、良い事例を重ね、地域全体にお役立ちしていきたいと考えています。

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