農家応援たんとマルシェ、農業女子2人が梅田で先陣 減農薬や有機野菜届ける

農産加工 ニュース 2020.05.22 12054号 12面
多くの買い物客でにぎわう

多くの買い物客でにぎわう

 【関西】コロナ禍から復活の兆しがようやく現れ始めた13日、関西の農業女子2人が先陣を切り、梅田のデパ地下で生産者と消費者をつなぐ「農家応援たんとマルシェ」をスタートした。多くの飲食業が臨時休業し、行き場を失った農産物を、買い場のない消費者に届ける。期間は6月3日まで。(佐藤路登世)

 会場の大丸梅田店地下1階東イベントスペース内特設コーナーに、関西地区の農家8軒による、ソラマメやズッキーニなど旬野菜、ニンニク、小松菜、ニンジンなど定番野菜が並ぶ。

 仕掛け人は、プリローダや日本農業など農業関係企業・NPO法人を主催する大西千晶さんと、多数のマルシェ開催で、関西各地の緑・農・食・人をつなげるソラニワの中川みよこさんだ。

 6次産業を強みとする2人だけに、大西さんは京都・山科で農家直営スープ専門店「たんとスープ」を展開し、2号店が今秋大丸梅田店にオープンする。今回のマルシェは、その事前告知の目的もある。一方、中川さんも連携農家や生産法人による加工品がマルシェの開催中止で余り、そのPRも兼ねている。

 会場で大西さんは「自ら販売する農家とのパイプが太いだけに、コロナ禍のリスクが大きい。大丸に相談したところ快諾を得た」とする。中川さんも「食料品売場は営業するものの、有機や減農薬などこだわり野菜のユーザーは、入手場所が限定され、生産者とつなげたい思いがあった」と話す。というのは、会場に並ぶ野菜の多くが減農薬や有機野菜。仕掛けの両人が、エリア生産者や流通、ユーザーと構築した、有機農産物ネットワークを強みとするためだ。

 買い物客の60代女性は「普段はマルシェで購入する有機農産物が入手できてうれしい」と話す。一方夕方は、栽培方法にこだわらず、新鮮さとおいしさを求める、勤め帰りのサラリーマンでにぎわいをみせ、野菜類は連日完売するという。

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